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2005/05/14(土)
あきちょめに恋して
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学生劇団をやってる人の悩みのひとつとして、演劇をやってる人ってどうなの?って色眼鏡で見られることがある。まず高校演劇と大学では違う。確かに高校演劇はオタクっぽいのが多い。私は昔から相当ヤバかったが、むしろ高校演劇時代には演劇部にもこんな明るい馬鹿がいるんだとむしろイメージ向上の方で役に立っていた。大学のヤバさは違う。大学まで行って芝居をしてる中でのヤバイ人は本当にヤバイ。新入生の勧誘活動ではそれを払拭しようとみんな必死に爽やかにやるもんだが、私に言わせれば笑止千万である。
はっきり言おう、絶対に普通の世界よりヤバイ人が多い。私も芝居をはじめて7年目だが、むしろヤバイ奴の方が絶対に魅力的だ。私が芝居をやめられないのも、普通に生きていたのでは絶対知り合えないヤバイ人たちといっぱい知り合えるからである(それを誇りに思えないどころかむしろ隠そうとする人が多いことについての問題は、また別の機会に触れます)。しかしその中でも迎旭人ほどヤバイ男はいない。
もうあきちょめのヤバさについてはしつこいくらい何度も書いているから、改めて詳しくは書かない。一言で言えば彼はアル中だ。この前あった時、手が震えていた。よく突然奇声をあげる、それで充分だ。
でも天才だ。私が今まで出会った人間の中でも3本指に入ると思う。ちょめと哲学的な話していると、深いと思わされることばかりだ。一見まったく社会適応能力がないように見えるが、年下の私に対してもメールはすべて敬語で送ってくるなどとても礼儀正しい方だ。どちらが本性なのかわからない
そんなちょめからカツショップにでないかとオファーがきた。今度のカツショップは大阪でおこなわれるロクソドンタフェスティバルに出展するらしい。これについてはよく知らないが、ようは半年に渡って毎週1本行われる演劇祭で優勝団体には50万円というものらしい。大阪というのはとても魅力的な話だ。大阪で芝居が出来るというのは、まさにひとつの目標である。
そして迎さんの演出をうけられる。私は基本的に自分勝手に芝居をしてたいので、人から演出をうけるというのは好きじゃない。しかし、確実に自己演出するよりおもしろくしてくれるんじゃと予感させる人は別だ。ハラダさんもそうあたし。今さしあたって身近でうけたい人は、森よしはると迎旭人だ。迎さんの本は「うむよ」「おいしい水」と2回見たが、さっぱりわからない。哲学的すぎる。しかしすごいと思うのは、とてもじゃないが恥ずかしくて言えないような、若さを感じる青臭い主張を堂々と叫ぶということだ。これは真似できない。なので、とりあえず話だけということで練習を見学にいった。
まず木曜には一人で行った。未踏座現役勢が練習のためその日はまず制作会議をするとのことだった。見学者を呼んでおいて制作会議というのもすごいが。中身はもっとディープだった。公演の機密事項もあるので、私の日記で詳しいことを書くわけには行かないが、おいおいちょっと無計画すぎるだろと不安にさせるものだった。とても2ヶ月前に話すことじゃないことまで話してる。松本幸恵・田渕☆理恵・左藤未帆の女帝3人が、矢継ぎ早に心配な面をつっこんでいくとちょめは苦笑いしながらあさっての方向を見ていた。大西さんだけがフォローをいれていたが、ちょめは私にちょっかいをだしていた。・・・これを見ているととても安心して乗れる船ではない。
でも、ちょめは幸せものだと思った。これほど無計画でも今日の会議で女帝3人が思い当たるすべての不安を全部片付けてくれてなんとか公演うてるようになっていた。まわりがしっかり支えてくれている。迎さんは芸術家だ。おそらく公演の運営なんて全然出来ない人なんだろう。だからこそもっと早い段階で全権委任できるプロデューサーがいた方がいいと思うが、今でもこうやってくれる人がいる。羨ましいことだ。
そして、今日はちょめに興味のあるというチハルを連れて練習を見学に行った。チハルは私とつるんでばかりなので未踏座の人には紫と思われていたようだ。練習前にエチュード大会をした。やたらテンションがあがる。そして脚本を渡される、ちょめの中ではチハルは既に出演OKになってるみたいだった。脚本を読んだが、やはりさっぱり意味がわからなかった。でもところどころ凄いなと思わせるフレーズがある。ネタばれになるので、具体的なフレーズは書けないが、こんな台詞かけねえよ。すげえなと思わせるものが多い。また演出する時のオーラが違う。あれだけ激しい演出をうけるのははじめてだ。必ず褒めるのも励みになる。
なにより羨ましかったのは、みなから信奉されていることだ。轟はすぐ色々な男の舎弟になるのであれだが、カメやシュウちゃんの話を聞くだけで本当にちょめを尊敬してるんだなという思いが伝わってくる。未踏座の若い子がちょめとつるんで毎晩飲み歩いていたり、ちょめがシュウちゃん家の頻繁に風呂に入りに行くのに喜んで提供してるとか話を聞くと羨ましいな。未踏座の先輩方もちょめは買っているみたいだし、練習中見たスピっ太郎くんの様子も、ちょめを尊敬してるんだなと思わせた。帰り道にもミホミホから「向井さんの本は本当に凄い、ヒビサマも出ようよ」と言われた。その目はまさに宗教の信者だった。これほどまでに信者をつくれるのはまさに才能の賜物だろう。私もみんなから愛されてるなあと感じているが、これほどまでにというのは羨ましい。ちょめはとても大きな存在だなと思いました。
で、参加するかについてですが・・厳しい。本番がテスト中、教育実習で練習に出れない期間が長い。参加費が高すぎるなどで。でも魅力的だなあ。
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