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2007/03/03(土)
マリー・アントワネットレビュー
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東宝ミュージカルの、マリー・アントワネットを見てきた。本当は、父は教員にとって一番忙しい年度末に平気で年休をとって、夫婦で行くはずだったのだが、父が病気でいけなくなったのだ。手術が結構うまくいったので、父はぎりぎりまでねばったが、やはり大阪に来るまでは体力が回復していなかったようだ。2ヶ月前まで生きるか死ぬかの瀬戸際だったのにのんきなものである。
母は、元劇団四季、利家とまつで佐々成政をやっていた山口祐一郎の大ファンなので、とても残念がり、私に渡すかわり、パンフ買う、レビュー書き、出待ちしたうえで祐一郎と声をかけろという命令をしてきた。すぐ、バーに戻らなければならんので、出待ちはできなかったが(せっかく内閣にでてくれと叫ぼうと思ったのにね)、他はやらなあかんので書いときます
私の身の回りの演劇人は貧乏人ばかり(高い芝居をみない)ので、誘えるやつがいるかと思ったが、首尾よく内閣の女優が一人誘えたので連れて行く。で、感想ですが。正直自分でチケット買わずによかったなと思いますな。
演出がたるいんだな。マリトワの人生ダイジェストにしてるだけで、感情移入できん。まあ、浪費家・好色家の馬鹿女だから、感情移入できなくてもいいのかもしれんが。だったら、そこまでお馬鹿だってつっきちまけばいいのに、ヴェルサイユ宮殿追い出されて幽閉されていからはいい母親、プライドある王妃になっちまうし。かといって、民衆の苦しみにスポットをあててるかといえば、後半はジャコバン派が狂気に満ちくる様を過剰に描いて、なにがなんだかわからんし。総裁は下妻物語じゃないけど、昼間から狩と舞踏会とエロいことしかしない、馬鹿丸出し遊び三昧のロココ文化がうらやましい(町中にうんこがあふれてる以外は、その時代の貴族に生まれたかった)と思ってるから、その馬鹿さを突っ走って書いた方がよかったんじゃないかと思う
そして、山口君だが、なんちゅうかソロしかないのだ。歌がソロだけならともかく、台詞の掛け合いすらない。通し稽古以外、家で練習できる(実際、山口祐一郎の声量で家で歌ってたら近所迷惑だろうが、まあ防音がしっかりした部屋に住んでるだろうけど)。自分のペースのみで人にきつかわずに芝居できるんだから、人と掛け合いなしほど役者として楽なもんはない。と、いうか極端な話あの役はストーリーに必要なのか?革命の黒幕になっているが、なくても成立する。
これじゃ、山口祐一郎が出てますよって看板に利用されてる。山口祐一郎って役者はある意味、ジャニーズみたいなもん(タッキー主演ってだけで売れる舞台とかね)なのではないか。ジャニーズと違って、ちゃんと歌が上手くて実力があるからぜんぜん違うといえば違うが、この舞台での扱いに限って言えば同じだ。同じ東宝ミュージカルでも、レミゼの凄さに比べて歴然の違いだ。安売りしたらあかんて、ほんまに内閣に出た方がいい。
やはり、根本的に脚本・演出に問題がある。フランス革命を描いた作品なら、もうベルバラが完璧すぎて、他は付け入る隙がないのではないか。作者がどこの人かは知らんが、ミヒャエウルという以上ドイツ人だろう(フランス人ならミッシェルになるはずだ)。ドイツ人風情が、フランス革命を描こうなんざ甘いのだ。やはり日本人に任せろ。ベルバラをみろ、4人も感情移入できる人がいる。そして、フランス革命で話を書くなら、私のがおもしろい作品をかけるぞと思った(後日さわりだけ書きます)
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