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2007/06/17(日)
テンポイントレビュー2
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お話はテンポイントのお話でした。ここで私が何本もみている武結城の戯曲の弱点 ・ 小説だ 彼は元文芸部なので、小説なんですね。まず基本語りが多い、登場人物が自分の思いを長い台詞で独白する。これは非常にさめる ・ 場転が多い 暗転が多いとさめる。これは大きなハンデ ・ 説明台詞多すぎ 説明が多いのが悪いわけではない。説明のしかたが下手なのだ、実際の人間はそうそう喋らない。橋田ドラマと同じ ・ ギャグがおもしろくない これはねえ、普段からおもしろくないから言うことが。安易なキャラ設定が多くて などがあるが、一番厄介なのは、好きなものに対するものの味方が一方的すぎるということだ
これは、実生活からしてそうなのだが、彼の好きな競馬だと一番端的にあらわれる。彼の予想が当たらないのは、どうも好きな馬への愛着がひいきを生むのと、すでに決まっている自分の買い方の法則を、刻一刻と変わる競馬の情勢で修正していないのではないかと思うんだな。もっというと、一度この馬を軸って決めたら有利な情報を選択し、買わない馬は不利な情報を目にするようにしているんだな。確率でとらえるべきことを0か100かでとらえているのだ。
それが、脚本でどうでるかというと、好きな人物を善と描き、いやな人物を悪とえがく単純で深みがない話になってしまう。ミーハーだからやたら有名な歴史上の人物だしたがるし。すごい、一面的で薄っぺらい話になりがちなんだな。
その面で今回の話を見たときに、少々の成長が見られた。私が評価しているのは、テンポイントのライバル、トウショウボーイがダービーも制して2冠馬という設定にしたことである。実際のトウショウボーイはダービーではクライムカイザーに敗れている。今までの彼の芝居であれば、それも書いてしまうところであった、彼は競馬マニアであり、たとえ芝居であろうともそういう間違いは許せないたちだからだ
しかし、この芝居の流れを見たときにストーリーの軸となるのはテンポイント・トウショウボーイ・グリーングラスのTTGのライバルとしての物語である。トウショウボーイとの最後の有馬で勝つというストーリーに山場を持ってこなければならないのだ。そこに、一般客でもしっている祭典ダービーに、その後際立った成績も残さないクライムカイザーが勝った所で物語は盛り上がらなく、そのためにクライムカイザー役の役者を一人だすなどまったく無駄なのである。それなら、生涯のライバルトウショウボーイを2冠馬という設定に下方が絶対盛り上がる。芝居はドキュメンタリーではない、よりよい芝居にするためにはこの程度の事実の捏造などむしろやってしかるべきであり、それに対し事実と違う、リアリティがないなんて批判するのはナンセンスである。その点はよくやったと評価できる。
あいかわらず説明台詞、独白は多いし。馬が喋ってたり、腰振ってる騎乗シーンは笑っちゃいけないんだが笑えるという難点はあるものの、ちっくの演出はオーソドックスで、素直に感動狙いでよい。前回は「らぬきの殺意」という未曾有のよい脚本であったが、今回は対極のしんどい脚本をよくやったと思う。役者も思ったよりみんなよかった。なんというか、その人の持ち味を発揮しているというより、与えられた役割に答えたという漢字であった。なにより、結束感、ちゃんとこの話はおもしろいと信じて演じているように、ちっくを信じている感があったのがすばらしい。まあ、いくら身内が多くて、ちゃんと見ようと思っていたのと、好きな競馬の話だからといって、徹夜明けの私が一度も寝なかったのは評価に値するわな。はっきりいうと、ダメだろってところも山ほどあるが、細かいのでいい。全体的によければ。動物もんはいいよ。
やはり、浪崎がマキバオーみたいに鼻にマイクを押し付けてインタビューしてるのがよかった、マキバオーみたいに観客が全裸でハゲならなおよかった。まあ、あとやっぱレースシーンを本物の映像流せばよかったね。いや、JRAに問い合わせたら1レース8万かかるて言われて断念したらしいが、そんなんこっそりやりゃええねん。ばれへん、ばれへん
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