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2008/04/26(土)
総裁、今泉巡査にあう
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笑の内閣の劇団名は、三谷幸喜氏の名作舞台(映画化もされた)「笑の大学」からとっている。笑の大学は衝撃的過ぎた、私が芝居をはじめたのもそもそもはそれだ。三谷氏と出演している、近藤芳正氏、西村雅彦氏はまさに私の人生を変えた男たちだ。彼らさえいなければ、まともに就職してこんな貧しい思いをせずにすんだのにシクシク
で、今日仕事帰りに深夜コンビニで立ち読みしてたらやけにおでこの広い男が入ってきた。ここで、黙ってみてないでずうずうしく喋りかけるのが総裁のいいところである。「西村さんですよね」「そうです」だった
はっきりいって、京都に住んでいて有名人に会うというのは全然たいしたことではない。しょうみ、すごいてコメントがくるかもしれないけれども、別に私がすごい人だからあったわけではないから、全然凄いことではないので、すごいですねてだけのコメントならレスつかかえしません。山田吾郎教授、東幹久、ウド鈴木と街で偶然有名人に会うくらいは何度もあっている
では、なにをすべきなのか?私が一般人なら写メをとってもらうことかもしれない。しかし、私は演劇人だ。そこで 「ファンです、笑の大学の舞台見ました(それはウソ、生ではなくビデオ、それくらい方便だ)、それで芝居はじめました」 「芝居やってるの」 「はい、コメディの劇団してます」 「どこで」 「京都でです」 「大学は」 「佛教大て小さな大学です」 「大学生」 「いえ、卒業して自分らではたあげしてます」 「どれくらい活躍してるの」 「まだまだです、ようやく雑誌に取り上げられたり、動員300人くらいです」 「いや、それだけいけばまずはたいしたもんだ。そうか、コメディか、コメディはやりすぎないことだな、それでとにかく真面目に取り組むことだ、そうすれば結果がついてくるから、頑張れよ」 「ありがとうございます」 とまあ、一言一句覚えてるわけではないので多少脚色もあるがこんな会話になりました。今思えば、もっとこんなことが聞けたら、こんなことが話せたらってのはいっぱいあるのだが、その時はせいいっぱい。ただ、尊敬する役者さんである西村雅彦氏とある程度会話が出来て、「やりすぎるな」「真面目に取り組め」の2つでもアドバイスをもらえたことはとても嬉しいことだ。
しかし私がこの遭遇の中で今日大事だと思ったのは私との会話ではない、嫌な言い方をすれば西村氏もこんな短時間で本気で私を売れさせようと思てアドバイスをしたわけではないだろうからだ。私が着目したのは、私がファンですと握手した際「秋に、大阪と京都で舞台をやるので見に来てください」といわれたことだ。その段階で私はファンですとしか言ってない、つまりまだ芝居をしょっちゅう見に行くであろう可能性が高い演劇人だとばれていないのだ。その段階で、ファンと近づいてきた男にすぐさま「舞台を見に来てくれ」とおしゃったことである。
西村氏ほどの役者になれば、すでに自分でチケットを売る必要などない。おそらく客席が満席だろうがガラガラだろうがギャラに変わりはないレベルの役者さんだ。そんな人が、いきなり握手を求めてきた(その段階ではテレビで見ただけのただのミーハーで、芝居なんか一度もみたことないかもしれない可能性もある人間)人に、すぐに「舞台見にに来て」という言葉が出てくることに凄味を感じたのだ。本物の演劇人は、たとえどんなにすごい立場になろうとも、一人でも多くのお客さんに劇場に足を運んでもらいたいということを決して忘れてはいないのではないだろうか
ひるがえって、我々はどうか。我々レベルの役者の方がよほど、客席が埋まらないとまずいではないか。。チケットノルマ・参加費という自己負担をなくし、アルバイトで生活することを脱するためには、名声を上げる必要がある我々は血眼になってチケットを売らなきゃならない必要性は西村氏の比ではないはずなのに、それが出来ているだろうか。
そんな刺激をもらいつつ、西村氏にお礼を言って帰ってきた。いつか、私が脚本・ちっくが演出をする舞台の稽古場で、再会することによって今日の恩返しがしたいと思う。
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