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2008/05/13(火)
人は城、人は石垣、人は掘
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総裁をコメディ好き、政治好きにした三谷さんの「総理と呼ばないで」というドラマには、総理の娘が所属する「劇団ヘロヘロ共和国」という小劇団がでてくる。その劇団は、おそろしくつまらない。さらに、チケットも全然売れてなくて、総理が見に行った時には総理一家と公邸の使用人しかいなかった。三谷さんが、まわりにある典型的なつまらん小劇団を描いたのだろう
が、そこの劇団員は主宰兼脚本家兼演出家をカリスマとしてあがめていた。ドラマだからそれが事実だというわけではないが、長らく小劇場界にいた三谷さんはそのへんはリアリティがあるように書くと思う、上記のようなつまらない、動員も少ない劇団でもついていく団員はいるということだ。「下北サンデーズ」だって、上戸彩が入る前は、10年やってずっと下北で一番安い劇場を抜け出せないし、客席もまばらな劇団にも関わらず、団員は10万近いノルマをはらうは、専属制作はいるはである。
笑の内閣は小さな劇団だが、3年で京都小劇場界では1番の劇場で出来たし、マスコミには取り上げられつつあるし、動員は順調に伸びて基本客席は埋まるようになってるし、なによりおもしろい。いや、おもしろいかどうかは主観だが私は世界一面白いと思ってる8実際は世界一ではないことも知ってるが)、各所の評価を見る限りではおおむね好評だ。そして、小劇団には珍しく、経済的自立というテーマをかかげ、芝居を続けるための最大の障害である将来へのセーフティーネットに対しても真剣に考えている方だ
ああ、でも悲しいかな人がいない。今日はね、5人もの人に会ったのですよ。交渉で。ここ3年私はもうずっと人に客演交渉、スタッフの交渉をしている。おかげでずいぶんいろんな人と関われて、楽しい思いをしてみなさんに感謝している。今日会った方も、みんな素敵な方で、まあすでに2人は次回関わることが決まってるのだけど、ぜひ全員とご一緒で着たらなと思っています。 しかし、さすがに1日5人あったら疲れた。おかげで久々にぐでんぐでんに酔ってしまった。固定でメンバーがほしいなと思った。私はダメな人間で、人への気遣いや思いやりがないから、はっきりいって一回の客演やスタッフやお手伝いだけでも毎度のように30人近い人が来てくれるだけ幸せなわけで、それを固定でしかもスケジュールを話し合った結果ならどの用事より優先してくれる人がほしいなんて贅沢すぎるわがままだってのはわかるんですよ。でも、同時に上記のようなうぬぼれた自信もあるわけで、これだけ面白くて伸びてもいてビジョンもあるなら人が集まってもいいやろとも思うのね。
私の人間性がダメて理由なら、わかりやすくて一番納得できるしもっとよい人間になろうて改善努力をする意欲につながるからいいのだけど、他の要素であるならつらいわけですよ。
例えば作風もあるかもて言われるのね。私の本は確かに面白いが劇団に入ってどうこうというタイプではないとはよく言われるわ。私の作品はいかにも若者が好んでやりたい思想も文学性も若者の悩みもない、ただのお馬鹿丸出し娯楽だ(なのに中途半端な反体制風刺という今の若者が嫌いな要素もある)、そういうのは演劇という特殊表現をした若者がわざわざ入団してまでやりたいこととは違うんだろうな。
と、いうか私の儲け主義じたいが、違うのかもね。芝居を続けたいと儲けたいてのは相反するのだ。いや実際は相反していないと私は思ってるのだが、多くの演劇人は自分のしたいことをねじまげてまで儲けようとすることを潔しとしない。それは私もそうなのだ。ただ自分のしたいことが儲かる芝居なのだ、ただそういう人は珍しいのだ。収入を安定させたいなら芝居より就職する方が楽だからだ。
と、いったこともあり、ちょっとうちひしがれる。私が三国志のキャラで曹操に憧れ、早々のようになりたいと思うのは、実際の私に曹操的要素がないからだ。一方の劉備は武も文もまったくダメな取りえのない男だが、不思議と有能な人が集まった。人にはダメ男が率いる劇団にこれほど出てくれる人がいる状況は、高間さんは劉備タイプだとは言われる。でも自分では、正劇団員がほとんどいなくて人がいないんだから、せいぜい公孫讃とかその程度ちゃうかと思う(わたしの好きな董卓や袁術ほどのワルにもなれんレベルや)。曹操になりたいけど、せめて劉備になりたいものだ。
総裁は、今まで人生で嫌いな人は3人しかいないし、今まで内閣の出演者でも、見限られた人はいっぱいいるが、私からもうやりたくないよって人はいないのだけどね(そりゃいやな言い方すると、出演者同士の相性の悪さでAとBは同じ現場におけんし、それならAのが誘いたいからBはやむなく呼ばないとかはあるけどさ)。とりあえず仲良くやりたい人が集まってくれて、薗中の何人かでも志をともにしてくれたらうれしいんだけどな
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