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2011/08/01(月)
作品解説 和民殺人事件
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「もしマル」で書いた通り、私は人一倍労働意欲が低く、楽して生きていきたいので、労働を賛美する奴は嫌いである。特に労働基準法を守らない経営者への嫌悪は半端ない。
それでもまだ、苦しい中小企業で、労基法なんか守っていたら潰れてしまうなんてところは、同情出来るところはある。しかし、大企業の連中は違う
奥田 碩(日本経団連名誉会長 トヨタ自動車相談役) 「格差があるにしても、差を付けられた方が凍死したり餓死したりはしていない」 「マスコミの厚労省叩きは異常。報復しようかと。スポンサー引くとか」
宮内義彦(オリックス会長 元規制改革・民間開放推進会議議長) 「パートタイマーと無職のどちらがいいか、ということ」
奥谷禮子(人材派遣会社ザ・アール社長 日本郵政株式会社社外取締役 アムウェイ諮問委員) 「格差論は甘えです」 「競争はしんどい。だから甘えが出ている。個人の甘えがこのままだと社会の甘えになる」
篠原欣子(人材派遣会社テンプスタッフ社長) 「格差は能力の差」
南部靖之(人材派遣会社パソナ社長) 「フリーターこそ終身雇用」
林 純一(人材派遣会社クリスタル社長) 「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」
渡邉美樹(ワタミ社長) 「24時間仕事のことだけを考えて生きろ」 「人間はなにも食べなくても[感動]を食べれば生きていけるんです」
箕浦輝幸(ダイハツ工業社長) 「最近は若者があんまりお金を持ってないと、いうのがあって若者が少し車離れしてるんですね、 それで(聞き取れない)お金がないって事でそういう 連 中 が少し安い車という流れも少しある」
鈴木修(スズキ会長) 「土曜休んで日曜も休む奴は要らない。8時間働けばそれでいいなど通用しない。成果で報酬がでるんだ」
秋草直之(富士通代表取締役会長) 「業績が悪いのは従業員が働かないからだ。」
御手洗冨士夫(キヤノン会長、日本経済団体連合会会長) 「偽装請負は法律が悪い」 「新卒社員は学生時代の成績で初任給に格差をつけろ」 「派遣労働が低賃金なのは当たり前。気ままに生活して賃金も社員並みというのは理解できない」
永守重信(日本電産社長) 「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。 たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」
猿橋 望(NOVA創業者) 「労働基準法なんておかしい。今は24時間働かないといけない時代なのに」
自分の悪徳を恥じないばかりか、誇りを持っているのである。私は演劇以外の仕事は余したくないが、労基署の職員にならなりたい。なって、こいつらを片っ端から牢獄に送ってやりたい。それで経済が傾いたって世直しだ。
だいたい、私が腹が立つのは、こいつら才能があったくせに、努力で成功したと思ってることだ。
私は「必要なのは才能ではない」という発言ほど罪深いものはないと思う。もちろん実際は「才能を持ち腐れていかせない人間も」「才能じゃなく努力で成功した人間も」いるわけだが、「才能がなくて努力及ばず成功しない」方が圧倒的に多いわけだ。
それをわかってて、「努力すればなんとかなる」といって部下をこき使うのも悪人だが、本気で自分は努力で成功したと思ってる奴はなおたちが悪い。自分が才能で成功した事例を努力すれば出来る事だと思い込んでるから人にも出来ると言いやがる。3時間しか寝ないで生きていける人間は居るが、それは才能である、普通の人は3時間睡眠なんて努力しても出来ない。しかし、才能を努力と思う者はそれが出来ると強制する。
私は現時点で成功者じゃないけど、後輩から「せめて今の高間さんくらいの劇団(アゴラに選ばれるレベルの)になりたいので、なにが決め手ですか」と聞かれたら「才能だ」と言う。実際は、才能以外の努力もいっぱいしたけど、その後輩が私と同じだけ、私以上の物理的に出来る限度の努力をしたってアゴラに行けるとは限らない以上「努力したら出来る」なんて言う方が無責任だからだ。精神論や根性論で物事解決するなら日本は戦争で負けてない。
いや、それでもまだこいつらが言うのは理解出来るんだ。だって、経営者だもん。私だって経営者ならどんな卑劣な手を使っても儲ける。
が、労働者のくせに経営者の味方をして労組を嫌悪する連中はもっと愚かだ。「労組が強いと、人件費が上がって国際競争に勝てない」とか「義務を果たさず権利を主張するな」とか、そんなもん知らねーよ。経営者が考えろ。私には経営者になる才能なんかない、演劇以外のあらゆる仕事において出来るなんて評価を受けたことはない。だから、経営者の身になって経済の心配なんかしてられっか、最低限の仕事はするからもっと金よこせ、もっと休ませろっていって何が悪い。なので、経営者になる才能がないくせに、経営者の身になって遠慮する裏切り者の労働者がむかつくのである。
フランス人なんかデモばっか起こして、休みまくって人生楽しんでいる。もちろんその分日本より貧乏だ。が、フランスの倍働いてるなら、倍は幸せじゃないとおかしいはずだが、本当にそうだろうか。もう少し、労力対効果というのを考えたらどうか、私は部屋を片付けない。もちろん私もきれいな部屋の方が好きだが、しかし奇麗な部屋で過ごす快適さと片付ける労力を考えると労力対効果にあわないのだ。汚い部屋で我慢する方が、片付けるめんどくささを考えると労力対効果がいいのだ。
よって、このような企業家とは考えが合わなく、いずれ全面的対決をしなくてはならないかもしれない。私は演劇意外の仕事はやりたくはないが、労基署の職員になって企業家をぶっつぶしてやりたいとは思う。この作品が、その第一弾だ。つかこうへい追悼企画と書いてるけど、熱海のお約束ごと(電話、落とす調査書、花束)意外は関係ない。まあ、実際の熱海じたいが、お約束事いがいなんでもありだけど。
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