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2012/02/21(火)
京都学生演劇祭 内閣賞審査結果3
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4位 喀血劇場
好み365 演出29 スタッフ20 演技力9 声量27 キャスト47 ビジュアル7 笑い46 独自色30 45分19 脚本184 =基礎点779+動員ボーナス62人=841点
と、いうわけで9回生。元プロ桑田が早大生だからって大学野球に出るような反則、唐仁原。とにかくこの反則には大賞やりたくなかったけど抜けてたらしかたないと思ってた。幸いな事に、喀血のレベルは高いがそれ以外も高いという最良な方法で、抜けては居なかった。 キャスト演技、演出、笑いといった技術点ではほぼ文句無し。ただ、唐仁が学生を技術でねじ伏せに行ったなわかりすぎ。奇麗すぎるんだよ、ふだんの唐仁の芝居は「吉田寮生が出ててそれが事故を起こす可能性」という緊張感があるから面白いんだが、それがないので「安心して笑える」ってのが物足りなかった。まあ、MVPは古野かな。
3位 未踏座
好み446 演出22 スタッフ12 演技力6 声量25 キャスト40 ビジュアル12 笑い48 独自色29 45分24 脚本161 =基礎点827+動員ボーナス63人=890点
こちらも「どうせアゴラに連れて行く髭だるマン」が作演なので、よほど抜けてない出来ないだったが、良い意味で抜けてなかった。ただ、髭のコントは好きだよ。面白いし、屈折が無い。やはりしゃくなげ謙治郎は大スターだ。九鬼もコメディエンヌだ。「ジャージマン」は本当に名作
2位 西一風 好み432 演出27 スタッフ22 演技力9 声量27 キャスト44 ビジュアル15 笑い43 独自色36 45分27 脚本178 基礎点853+動員ボーナス62人=915点
今まで私は西一みて面白いと思って事なかったんだが、びっくり。これは面白い。無駄が無い。素晴らしいコメディ。「旦那さんの好きな料理」以外、笑える台詞は全て笑えた。世界観を欲張らないで、5人のキャラをきっちり書いて、終結させた腕見事。井上達也君のキャラは最高すぎる。昨年の個人MVPは森麻子だけど、今年は井上君。そして田中次郎はすごい面白い。大賞に相応しいし、下劇と本当に迷った。最終的に本大賞をとったし、「4回主体」ってことでアゴラには(喀血が目立ってるが、ここかてサワガレやんといえばそうなる)別にしようと思ったが、田中君は北海道出身だしシアターZOOで前座してほしいなあ。
1位 下鴨劇場 好み485 演出9 スタッフ6 演技力3 声量24 キャスト48 ビジュアル10 笑い45 独自色46 45分27 脚本158 =基礎点861+動員ボーナス59人=920点
そして、下劇です。はい、好みですよ、なにせ演出9、スタッフ6、演技力3てのは16劇団中最低。しかし、好み点だけで優勝。まあ、笑い点、独自色点、そして西条瞳をあそこにつけたセンスでキャストも48と、内閣賞が重視するツボ抑えた。 あれは本当に「面白い」ということ以外、演出も演技も必要な事をなにひとつしていない「あの雑さが藪内の味」なんて評価している声もあるが、甘やかしては行けない。あんなもん怠惰なだけだ。正直「お前ら出たくて演劇祭出たんじゃないのか、嫌々義務的にテキトーにやってる」感が出ている。 が、面白い。あの緩さ、本当に面白い。世の中、努力よりセンスなのかて無常を感じる面白さ「俺、お前の諸葛亮じゃないしな」と「アナルファック」て台詞と、西条さんがローキックかますとこは天才的。
これを「こんなの芝居じゃない」って否定する声があった、私はこれを否定したい。「この面白さがわからない」て批判は良い。しかし「芝居じゃない」はないだろう。しかも「面白いけど芝居じゃない」てのはわけがわからない。アボガド寿司、うまいけど魚じゃないし寿司じゃないって批判くらいナンセンス。
正直、アゴラに連れて行き甲斐があるかというと疑問符ではあるが(演劇的に言えばドキドキや蒲団座や髭プロのが行き甲斐があるし、喀血や未踏座のが場はあったまるし、SFPや愉快犯を連れてって女子大生と仲良くなる方がプライベートは楽しい)、しかし私の「努力より、美しさより、面白さ」、練習しなくても雑でも笑えりゃ良いってのを実践する為には、政治的メッセージとして「下劇を優勝させる」「下劇を平田オリザの前でやらせる」という必要があるんではと思った。「下劇を無冠に終わらせるわけにはいかなかった」のだ。
ということで、採点は非常に大変だった。が、とてもやりがいはあった。芝居を見る集中力が違うし、かならずほめるところを見つけようと躍起になる。ぜひ、高校演劇の審査員もやってみたいな。
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