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2014/05/09(金)
福島もギャグに出来る世の中に
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福島第一原発観光地化計画舞台化計画のワークショップは順調に進んでいる。予想外に人が来ている。高安さんのワークショップのみて人も多いが、こうも人が集まるもんだとは思わんかった。みんな内心は「福島」に興味があるのだ
しかし今回の芝居ほど恐ろしい芝居はない。内閣はいつも危険なネタを扱ってますねと言われるが、正直そんなことはまったく思ってない。「表現規制に反対する」「風営法のダンス規制に反対する」「差別と戦う」なんてのは、少なくとも演劇を見るような人間はほとんど賛成である。つまり観劇層からは好かれる事しかしてないんだから、こんな安全なテーマはない。また、そもそも絶対的な正義なんてないけど、私はこれらの3つは正しいと思ってるし、これらは脚本に取り入れる前からコメディだ。「ジャニーズは児童ポルノ」「客を踊らせた疑いで逮捕」「彼女が出来たからデモやめる」なんて面白いじゃないか
しかし、「フクイチを観光地にしよう」は危険だ。観劇層でも不謹慎だという層はいるだろうから嫌われるし、「観光地化計画」が正義かどうかなんてわしにもわからんし、それだけで笑えるようなシチュエーションも発言もないし難しいのである。
前にも書いた通り、私は「ぷるとちゃん」て原発擬人化コントを書いた以外は、エネルギー問題はなにが正しいかわからんし、どっちの陣営も頭悪いなあてのが多いので、この3年間は演劇で原発問題には関わらないようにしてきた。観光地化こそ(2月4日の日記)、私の下世話な心を免罪してくれることなので芝居にしようと思ったわけだ
で、美味しんぼの鼻血早々になるわけだが、私はこれは予想外の展開が起きている。いや、放射能が原因で鼻血が増えているというのは、とっくに否定されたことであり、2014年になって、肯定派も否定派も真面目に取り上げるような言説だとは思わなかった。まさにMMRで、「××年地球滅亡だ」「なんだってええキバヤシいいい」を本気で抗議する人がいないのと一緒だと思っていた。
しかし、凄まじい抗議が起きている。正確には現時点での「美味しんぼ」はまだ鼻血=放射能とはっきり明言していないため、拙速という可能性もないわけないが、その通りであれば完全にデマ拡散なので非難に値するとは思う。確固たる証拠もなく主観で、農産物が食べれない、住めない、病気が云々というのは、事件のニュースをみて誰が怪しいとか、ロクでもない証拠しか出せないのに小保ちゃんを信じてるのと一緒。自分で信じるのはよいが、拡散していいことではない。デマを広げるだけで?自分も騙されたのにて意見もあるだろうが、のは豊川信用金庫噂事件やスマイリーキクチ中傷事件なんかを見てほしいものだ。
しかし、批判派にも「打ち切りせよ廃刊せよ」というような過剰要求は違和感を思う。石井孝明のリンチ発言は本当に醜悪だ。特に「鼻血が出たなんて聞いたことはない」て反論は反論になってない。実際に鼻血が出て不安に思ってる人にはなんにも通用しない。デマはもちろん悪い事なんだが、論理的にトンデモ論を否定するてのは、私もトンデモ本が好きだから「面白い」ものなんだけども、どうも今の美味しんぼ叩きは「面白くないし、本当に鼻血が出た人からしたら、自分の意見が黙殺された感覚に陥り、「美味しんぼ」はデマ肯定派の聖典になり、雁屋哲は殉教者になってしまう。それでは、ますます危険ではないか
そんな言論弾圧に見えかねない方法より、「面白い表現」で福島の安全性を訴えたいなと思うわけですよ。笑の内閣は、現状発進力に置いて美味しんぼにはかなわんんけども、しかし面白さでは既に勝ってる自信はある。 であえて、どちらからも嫌われる事を書くと、「美味しんぼの鼻血描写」が、深刻な対立を生み出す風評被害の源ではなく、ギャグになる日が来てほしいなと思うわけです。例えば、はだしのゲンにある広島市内中心地からはずれた場所の住人が、ゲンに対して「ピカがうつるぞ」とい言ったシーンは、中沢さんが体験した当時もゲン発表当時も、「非科学的なデマ」に基づく「被爆者差別」である。なんとか70年経って、そんなアホな言動はなくなった(かどうかは100%はいえんけど)今、例えばうちの稽古場では広島出身の髭ちゃんに触られて「ピカがうつる」「やめろ」てやり取りがギャグとして成立している。もちろん、髭ちゃんが嫌がっていればギャグにならないし、舞台にあげてもギャグになるかはわからない。
ただ、私は福島の中では、絶対アホな高校生とかは「鼻血ブー」とか「だるいわ、放射能だ」とか「子供産めねえ」とかギャグをやってると思ってる。現時点では、それはメディアでも舞台でも言えない。めちゃいけの阿呆方さんだって、電光掲示板に佐村河内氏の似顔絵で「みなさんの声が聞こえてます」だって、本来は面白いはずだ。阿呆方さんは、本人を傷つけてるからアウトなわけだが、それを不謹慎て結論じゃなく、本人さえ良ければOKな世の中の方が楽しいと思うのだ。
残念ながらまだ風評被害は続いているのでその道は厳しい。私は、来週原発周辺の富岡町まで行くのだが、そう言ったら大丈夫なのかと言われることもあるのである。特に、近いうちに子作りしたいと言ってるので「その前の仕込んだ方がいいんじゃないのか」と言われた時はちょっと厄介だなと思ったのである。
なぜかというと、そういう人は「本気で放射能の悪影響をを心配している派」の人ではないからだ。むしろ一部の危険な場所は危険な以外は、しっかり安全は安全て認識している人が多い。ではなぜそういう発言になるかというと、もし子供になにか障害があれば(それはかなり高い確率で放射能以外の原因であるだろうが)あの時いかなきゃて後悔しないかということであった。
それを乗り越え、「福島を下手に触れない=君子危うきに近寄らず」な場所ではなく、「平気でギャグに出来る場所」にすることが、真の復興ではないかと思い、来週はいってきます。
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