独り言の宴会場2004
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2004/04/20(火) 拍子抜け【緋川諒一】
今日はてっきりまた実験で遅くなると思っていましたが、蓋を開ければこの間の長時間実験が嘘のような早業でした。
とは言え、物理アレルギーの夏風や僕は少々遅かったのですが、それでも5時前に終了しました。

昨晩始まった「愛し君へ」は見そびれました。
忘れたのです。
そう言う事もあります。それと見て失望するのが怖かったのです。

今日は帰って直ぐに眠りこけて、起床したらばもう既に日付を超えていました。

◆メモ
「男女の友情は確かにあるんだ」
そう呟くように言った兄の姿が何故か寂しく見えた。振り返った兄と目が合った。
真っ直ぐで澄んだ視線。
一度見たら忘れられない瞳。
「な、創、お前はどう思う」
「怜兄…俺には解らないけど、友情と恋愛って紙一重だと思う」
言って、自分に問う。

──じゃ、彼女は俺にとって何か。

一緒にいると落ち着く。このままでいたいと思う。けれど、その想いは恋とは違う気がした。
俺は目の前で紅茶を静かに飲んでは溜め息をつく兄に答えにならない答えしか言う事が出来ない。
「紙一重か……そうか、そうかもしれないな」
「怜兄」
「僕にとって、彼女はその一線上にいるんだな、丁度」
どっちにも転べる。そう付け加えた兄に俺は息を呑んだ。正に俺の状況と一緒なのかもしれなかった。
俺にとって、彼女はいなくては生きていけない。
それでも、尚恋愛になっていないと足掻く自分が不甲斐ないのか、臆病なのか。はたまた、慎重なだけなのか。
「でも、彼女にとっては単なる優柔不断で、最低の男だね」
「…そんな」
「そうなんだよ、創。それは変わらないんだよ」
諭すような兄の声は俺の心を突き刺した。

──梨奈

俺は思わず、窓の外に降り積もっていく白い雪を見つめて溜め息をついた。


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