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2006/06/21(水)
廃墟
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変に思われるかもしれないが、ぼくは廃墟が好きだ。 子供の頃、家の近くにラブホテルの廃墟があった。好奇心旺盛な少年の頃のぼくは、恐いもの見たさでそのホテルに忍び込んで、部屋の中をあれこれ物色したり、落書きの壁をドキドキしながら眺めていた。 フロント9番と書かれた黒電話や、壁に描かれたお腹の大きい女性の絵は、今考えてみると実にリアルだった。 今もホテルや民家の廃墟、また放置されて錆だらけになった車なんかを見つけると覗きたくなってしまう。 廃墟には栄枯盛衰の“美しさ”みたいなものがある。 昔はいろんな人々が行き交い、いろんな声がこだまし栄えた場所も、何かの理由で人間が立ち退き、時代と共に風化し、自然に還ろうとする姿がとても神秘的に見える。 今まで見た廃墟の中で、特に美しかったのが、佐賀県の伊万里市にある伊万里造船所の廃墟だ。 琥珀色のコンクリートむき出しになった古い骨組みが何十メートルも続いており、そこにつたが取り巻いて、なんとも怪しげな雰囲気だ。 その廃墟の中でいつかぼくのプロモーションビデオを撮りたいってずっと思っていた。 必ずおばけが出るって噂だけど…
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