|
2012/01/10(火)
『母への手紙』
|
|
|
人生なんて思い通りにいくものだって 若い頃思っていました
道に迷った時決まって浮か浮かぶのは あなたの顔でした
一人暮らしに慣れず 近くの公衆電話に駆け込んだ18の春
声を震わせてあなたの声を確かめた時 涙で顔がぐちゃぐちゃでした
家族と離れて少しだけ優しくなれたような気がします
あなたが差し出したお金は財布の中で御守りになっています
心配性のあなただから僕は強がりになりました
弱音は吐いたこともないけど いつも支えてくれてます
ありがとうなんて照れ臭くて言ったこともないけど
心の奥でいつもありがとう そう思ってます
盆と正月 会うたび老いてゆく姿に胸が苦しくなりました
昔抜いてあげてた白髪も 今はもう抜くわけにはいかなそうです
人は何のために生きていくのかなんて時折考えるけど
僕も誰かの幸せのために生きていく年になりました
辿り着く未来はどうであれ胸を張れる生き方をしよう
座ったまま寝ているあなたを見ていると胸が熱くなりました
我慢ばかり重ねてきたから 少しは楽に生きて欲しいけど
息子はどいつもこいつも心配かけてばかり
あの日現金書留で送った財布の御守り
どうせあなたは遣わずにとっているのでしょう
心配性のあなただから僕は強がりになりました
弱音は吐いたこともないけど いつも支えてくれてます
ありがとうなんて照れ臭くて言ったこともないけど
心の奥でいつもありがとう そう思ってます
|
|
|
|