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2004/12/19(日)  「大いなる喜びのしるし」 (聖書)マタイ2:1〜11 大嶋博道牧師
序 論:
 聖書のクリスマス物語には「光と闇」、「喜びと悲しみ」の対照的な雰囲気が漂っています。
イエス・キリストが誕生した時代の世界は今と同様、「暗闇」が支配しており、人々に深い悲しみをもたらしていました。
しかしながら、闇や悲しみを突き破る大きな喜びの訪れ―それがクリスマスです。
クリスマスは神がイエス・キリストにおいて、罪深い人間世界に一度限り冒険された日です。人間を罪の滅びの中から贖い出そうとする神の愛が具体化した喜びの日であります。
クリスマスに見る二つの喜びを紹介しましょう。

@東方の博士たちの喜び
 マタイは、東方の占星術の賢者たちが「星」に導かれて救い主イエスの誕生の場所を訪れ、ひれ伏して幼子を礼拝し、黄金・乳香・没薬などの高価な贈り物を献げたことを記しています。
マタイはわざわざ「学者たちはその星を見て喜びにあふれた」(2:10)と述べ、その星がいかに彼らに勇気と希望と確信を与えるものであったかを強調しています。

A貧しい羊飼いたちの喜び
一方、ルカは当時の「アム・ハ・アレツ(地の民)」と言われた極貧の羊飼いたちに与えられた大きな喜びを語っています。彼らは定住の家を持たない野宿者でした。その彼らが、天の使いから救い主の誕生を告げられた時、「さあ、ベツレヘムへ行こう」と口々に交わしながら家畜小屋を探し当て、天の使いが告げたとおりの光景を見ました。 羊飼いたちは神をあがめ、賛美しながら帰って行きました。

本 論:
クリスマスは喜びの訪れの日です。この喜びが私たちの信仰生活にもたらすものを幾つか見ておきましょう。

(1)最高のものを献げる信仰
 博士たちは黄金・乳香・没薬を幼子に献げました。 大切なことは、彼らが救い主を礼拝するために労苦を厭わなかったことであります。彼らの旅は、おそらく多大な犠牲を求めたことでありま
しょう。彼らは、神の約束が実現したことを喜び、ひたすら礼拝をするために来たのです。そして、彼らがささげた礼拝のしるしは「黄金、乳香、没薬」これらは王や祭司に贈る高価な品々でした。
真のキリスト者は、神に自分をささげる時、決して物惜しみをしないはずです。ベタニヤのマリヤは、十字架を前にした主イエスに高価なナルドの香油を惜しみなく注ぎました。他人の目には無駄遣いとしか見えませんが、礼拝は感謝の爆発する場なのです。私たちもクリスマスの大いなる喜びに満たされて最高の献げものをしたいものです。

(2)苦しみの中にあって神を賛美する信仰
 信仰生活はいつもハッピーとは限りません。試練や困難や危機が突如として襲ってきて信仰を側面から揺さぶる時もあります。
本当の喜びは自分の都合の良い条件が満たされた時に得られるものではないのです。
むしろ、私たちの深い悲しみや痛みのまっただ中に共におられる愛と憐れみの神ゆえに、にもかかわらず「喜び」を味わうことが出来るのです。ヨハネが述べた「光は闇の中で輝いている」という言葉のとおりです。

(3)他の道をとおって帰る勇気
 博士たちは幼子イエスに出会って「他の道」をとおって長旅の帰路に着きました。羊飼いたちは心の貧しさと空腹から解放され、神を崇め、賛美しながら生活の場に帰って行きました。これも幼子イエスに出会って得られた「他の道」でありましょう。
「他の道」―それは、インマヌエルの神と共なる喜びと感謝と希望に溢れた道であり、謙虚に人に仕える道であり、家族や隣人を自分のようにこよなく愛することの出来る道であります。


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