いいりん ☆ ゆつくりえいと ☆
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2004/10/25(月) もと町長さんのお言葉。あるMLより。
≪台風災害も熊も人災―――
徳島の藤田恵ですが、ご無沙汰しております。私のふる里・木頭村の隣の木沢村(木頭という地名もあり、県内にも木頭村と間違える人がいます)と上那賀町の、8月に全国的ニュースになった台風10号の2人死亡などの大災害は私からみれば完全な人災です。政治家も、官僚もマスコミも隠蔽しているようですが。

私は現地へ行き写真も撮ってきましたが、人災であると今直ちに学問的な立証はできませんが、体験的には疑う余地は全くありません。これは、目前で元気な人がナイフで刺されて即死したとき、ナイフの大きさや傷の深さ、出血量などを医者や警察が調べなくても(裁判では犯罪立証に必要)、目前で見た人はナイフで刺されて死んだことは文字通り一目瞭然あるのと同じことです。

人災の第一は、今さら言うまでもなく、杉林の間伐不足のため、林内の山肌を保護する下草(草や小さな木など)が生えないため、大雨で山肌がいっぺんに削られ大崩壊を引き起こしたのです。

第二は、急峻な斜面に幅員が広すぎる(幅員が狭いと土建屋が儲からないため補助金が付かない・長野県栄村は国などの補助事業の半分以下での農林道などの自前の公共事業をしています<「公共事業は止まるか」岩波新書126ページ以下>)農道や林道をどんどん開設したため(私が木頭村長の時の93年頃から2000年頃まで、両町村は木頭村の何倍もの予算が付いています<私がダム反対していたための見せしめ・いわゆる行政圧迫・当時、毎日新聞などで詳しく報道)、道路や道路付近の崩壊から民家の流出などが発生したのです。

 私は、農林業の家に育ち、今では考えられない小学生の頃から毎日のように杉の下草刈りなどをしていましたので(高校でも農林業を学びました)村長の時に、体験的に「今に大災害(村内は勿論、日本全国)が起きるから、公共事業として山の間伐を」と、当時の農林省、町村会、森林組合などへ訴え続けましたが(拙書「脱ダムから緑の国へ」2004年緑風出版・57ページから61ページ)、こんな明々白々の緊急事態にもほとんど耳を傾ける政治家や官僚(権力を持ち私の主張の予算を組める)は今もほとんどいません。それほど、日本は腐った国に成り下がっているのです(いくら山の手入れをしても、政治家や官僚の私服を肥やすシステムがないためです)。上記のように経済成長のためと言いながら、災害をもたらす日本の公共事業費は国際比較でも突出しています。例えば、経済開発協力機構(OECD)の調査によると、G7の日本以外の、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリアと比較すると、日本は国土面積で80倍、可住面積で200倍の公共事業費を使っています。つまり、外国では1億円使しか使わないところを、日本では80億円から200億円も使うのが公共事業では日常茶飯事だということです。

また、「自然は有限で自然環境を破壊する無限の経済成長などあり得ません。経済成長に依存しなくても、安定した生活が出来る仕組みを創るという政策以外に人類が生き残る道もありません(日本では自民党から共産党まですべての政党の政策は経済成長を前提にしています)。この政策を早晩取らざるを得ず、不可逆的に進む環境破壊や環境破壊から来る大災害を目の当たりにして誰にも明らかなことです。」と私が訴え続けていることの重要性を上記の災害は実証しています。

上記に関連し、1950年代から薪や炭はプロパンガスに、椎茸もハウス栽培にと変わり、薪山(主に薪を伐っていた山)も炭焼山も、またナラやシデの椎茸山も、拡大造林(主に50(昭和30)年代から60(昭和40)代にかけて当時の農林省が全国的に実施した大愚策で、ブナや欅、ナラ、シデなどの広葉樹を価値の低い無用の長物と決めつけ、この広葉樹を皆伐させ、伐採跡地や原野にスギなどの針葉樹の人工林を造成することを莫大な補助金を付けて奨励した)のために丸裸同然になりほとんど杉を植林しました。この拡大造林によって適地ではない、奥地や尾根筋などに針葉樹が植えられたため、今日に至っても生育が不良な人工林が残されているほか、林業の停滞とともに広大な面積の人工林が手入れ不足に陥り、生物の多様性を損ねているのです。さらに、用材生産以外の林業技術や広葉樹を扱う技術も後退してしまいました。その一方では今回のような大災害が日本全国で頻発する元凶となっています。これは私が数年前から予想し(拙書・「脱ダムから緑の国へ」2004年緑風出版・57ページから61ページ)、本格的な森林の保全を訴えておりますが、林業政策がこのままでは不幸にも私の予想の的中は今後も日本全国へ拡大するしかないでしょう。(長くなりましたので「熊」は別途)≫

★藤田さんのように50年以上も大地と真摯に付き合ってきた人は、ごくあたり前に自然のスケールで見る事ができ、それは人間のほんとうの知恵。…だけど体験の無い者にはなかなかどうして、理解するのが難しい。少しずつでも見習っていきたい。
地震は天災だけど、被害の拡大にはやはり人災の部分があるのだろうか。

【写真は最新帽子だよ。フェルトみたいなウールでざくざく編み】


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