いいりん ☆ ゆつくりえいと ☆
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2004/06/12(土) ついさぼたあ樹。照る照る坊主でも創りましょ、三日坊主は帰ってねっ
天気のせいにして、ついつい遠ざかってしまいまして^^;
梅の実はなっているようだけど、梅雨はやっぱりうざった〜。
黴雨(バイウ)転じて梅雨(バイウ)の当て字から梅の実のなる頃ってことで定着したとか。梅も育つがカビカビも育つ今日この頃です。

≪木≫

 木は、人のようには、動物のようには動かない。
それは、中国古代思想によれば、動かなくても生きられるほど徳が高い故だそうだ。。。。インドの思想だったけな?
 そうなんだな、とも感じることがある。きっと昔のひとも考えたのだろう。ザワザワ動き回って騒いで殺し合って、逃げ回って、ようやっと生き抜いてきた動物のひとつ、ヒト科。 
 テクノロジーが進んで、人間の目指すのは、居ながらにして意志を伝達すること。情報の多くは、アイシテイルとかナカマニナロウ(時にはオレガイチバン)という究極の意志を伝えるための付随情報じゃないかな、とも思う。そのテクノロジーを進めるために、人間は実によく動く。これを働くともいう。材料の調達、燃料の補給、技術の切磋琢磨、、、、
そのなかで、ザワザワ動き回って騒いで殺し合って、逃げ回っている。

 木は、立ってるだけにみえるけど、そんなテクノロジーなしで、情報伝達しあって本来楽しく生きているらしい。
 フィトンチッドという言葉で説明される揮発性のある匂い物質の存在もそれを物語る。桜が一斉に咲くのは、目には見えない樹木間の情報伝達があるからと聞いたこともある。60〜100以上に一度しか咲かないという竹の花、おなじ種が世界で一斉に咲いて、そして枯れたことがあったというのも驚きだ(竹は稲の仲間だそう)。
 どのくらい遠くまで情報を届けられるのかな、それは距離なのかな。

 渋谷の、木が本当に少ないマンションの多いエリアで不思議な白昼夢をみたことがあった。
みた、というよりみせられた。いや聴かされた。
 猛暑の夕暮れ時だった。クーラーも無くあまりの暑さに4階の窓を開けたまま眠気に襲われてソファでうたた寝していると、誰も居ないのに声。男の声のようだが、泣き声。
「いやなんだよ、こんな不自然なこと、もうずっとずっと我慢しているんだ、でもますます孤独になってく」
 幽霊も心霊も、自分の外側にあるとは信じない私なので、声がしてハッと目が覚めた瞬間、混乱。

 見回すと、4階の窓のまん前に一本だけのスギの樹。
この前の建て替え工事で周囲にあった数本もごっそり引き抜かれて、たった一本の樹。見た目にも淋しげだった。
 目が合った、のとおなじ感覚があった。
ああ、この樹の声が、聞こえた、という感じ、だと思った。

 その数週間前、わたしはそこいらじゅう樹だらけのブラジルアマゾン支流を廻っていた。南米大陸の地理学的中心点がここだよ、という川岸には親指のツメより大きな種の甘い甘いスイカがなっていた。大小さまざまな動植物が案外静かに涼しげに生活を楽しんでいるような場。その輪のなかにいた。よぶんなものは、なくてもいいとわかる。これは知性だ。だって必要なものは、あるから。住人もみなそうだ。安堵に包まれる。

 人造物で埋め尽くされた都市に舞戻り、わたし自身ストレスを目一杯我慢していた。
 一週間くらいして思った。一本だけ人工的に植えられたスギの樹はどんなにか生きづらいのかも知れない。無意識のレベルで共有できたものがあったから、白昼夢のような樹の声を聴くことになったのだろう、と。

【写真:銀杏ginkgo/gingkoはよくみると不思議。東京には大木が多い。で、歩道橋から接近。】


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