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2004/06/08(火)
ときおり思い出す 百人一首
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98 従二位家隆
風そよく楢のを川の夕暮は御禊そ夏のしるしなりける
日本のうたは、掛詞や枕詞がいろいろで解釈しすぎると近視眼になるような気もします(。。。というか正直なところよく知らないです)。語感は、わたしにとってとてもたいせつです。で、このうたは、なんとなく7月の匂いがします。旧暦ならもう梅雨明けの頃かななど。
ほんとの解釈は知らないのですが、現代人のわたしの独断の感想を。 言葉自体がさわやかな風のような『そよく』『みそぎ』、ほかにもサ行を多く使ってさらに軽く感じられます。 夕暮れは、なかなか暮れない夏至のころなら、夕暮れといってもたそがれの中でいつまでも戸外に居たくなるようなひととき。 みそぎはきっと宗教色はほとんどなくて、「心地よいことは、しあわせである」っていうことではないかな。良い天気の一日が暮れていく、その黄昏時に水浴びをして夏の風を感じている。里の川なので、何か洗っている人や、馬などが水を呑んでいたりもして。 それを詠んだことに、ゆたかな文化を感じるなあ。
小学生の頃、子供ながらこのうたをきいて、くっきりとしたイメージが浮かび上がってきたのを鮮明に憶えています。
千数百年も昔のうたそのままで、子供をゾクゾクさせるほどの表現力をもっているなんて凄い、と思います。日本語の文化って深くていいですね。
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