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2005/01/28(金)
なんともいえない屋根の上
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昭和な東京。 並びには八百屋と昔ながらの床屋。八百屋には花や調味料、雑貨も置いている。 向かいには銭湯とコインランドリー。 傾斜した路地の脇には苔が多い、陽が当たらないのだろう。 水瓶や火鉢に水を溜め、誰かがメダカを放していたが、今は水草しか見えない。 猫がするすると路地に入っていくと、思わず目で追ってしまう。奥の家は素人仕事のペンキ塗りの薄緑の家がある。 電線は、家という家から何本も伸びていて、ベランダのメルヘンも切り刻む。クモの巣の美しさもなく、目障りに。 だけど、ひしめきあう小さな家の一つ一つに、人が入り込んで棲んでいるんだなあ、と異邦人の感覚で見てみると、昭和のサザエさんが出てくるまで待って居たくなったりする。
懐かしい眺め。 だけどもし、ここに昇ると、40階ほどもある巨大な恵比寿のビルやホテルが目の前に聳えているはずだ。 だって、地面から見上げても、背景の半分はビルで塗られている。 夜ともなると、点滅する赤いランプがそれを取り巻き、町とは関係の無い異界空間を作り出している。そして道路もビルも最近は赤いランプだらけ。「警告」を増殖し続けている。
【画像は目黒】
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