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2005/10/05(水)
戦後六〇年史九つの闇
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戦後六〇年史九つの闇 【ビジネスマンライブラリー】 先週本欄で紹介された本田靖春氏(元読売新聞記者)は「拗ね者」だったが、どうも経営者にはズレ者が多い。何にズレているかというと、今の世の中の常識にである。JR西日本はあれだけの転覆脱線事故を当初「敷石があった」とし、責任回避が一番世論の怒りを買うという常識からズレていた。
こうした「常識ズレ」をわれわれに気づかせたのが三菱自動車のリコール隠しであり、西武鉄道の株の名義貸しであり、カネボウの粉飾決算であり、本書はこうしたズレを「闇」と表現して9つの事例を詳述する。上記3社がどうやって、どの程度ズレたか、UFJ銀行の内部闘争はいかなるものだったか、過去の大物総会屋、「政商」たちは…と、まさに夕刊紙ネタ満載で総務部社員必携の書だ。 ただ思うに、会社のカネと自分のカネを区別しない“ミニ堤義明”なニッポンの社長はまだたくさんいるだろうし、その社長に雇われているビジネスマンはそれ以上にたくさんいる。そういう気の毒な社員にとっても必読の書でもある。 (2005.05.09夕刊フジ掲載)
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