diary 【日々撮りどり】
(写真のほか、若いころの歌など)
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2014/08/30(土) まむし
かわいいマムシ!

2014/08/28(木) 旧作
    パラソル(平成13年作)
予定早めて十二時前の特急で着くと電話あり声弾ませて
坂出の港に別れし時に似て咳きこむ今も姿の細し
耳飾の落ちたる音に気をなほしたがひに言葉をまた繋ぎたり
長きコートの裾をひきずるやうに去る力なげなる姿見送る
かげらふの中に右むき左むきパラソル回しゐき若き日の君
パラソルを回して橋に待ちくれきわが佳き人の遠くなりたり
肩寄せてゆっくり行かむ君を見送るツインタワーの駅までしばし
プラットホームの別れはつらしと地下街の人ごみの中に紛れてゆきぬ
雨のなか遠く帰り行く人に傘も貸さずに別れたりにき
振返り振返りつつ去り行きぬ別の言ひかたがあったかもしれず
富士山の頭が白くなるころに逢ひて眺めむ企て楽し

2014/08/25(月) あさがお
日よけの朝顔、今頃になって咲き始めた。

2014/08/21(木) 旧作
     退職(旧作・昭和44年)
湿りゐる地底の匂ひ流れきてわが乗る電車隧道を行く
白き壁整ふ机背広の人ら現場への指示はこの部屋より出づ
任期短くかはりゆく区長助役らにまつはる人らに我はこだはる
退職届書き終へて見る窓の外雲斑らなる山の夕焼け
職離れ友らを去りて無為の日に鉄橋渡る電車見て来ぬ

2014/08/20(水) 旧作
     入院(昭和54年)
望楼のテレビカメラが回転し東向く時光を返す
病み臥して心緩みてゐる夜明け硝子鳴らして地震すぎゆきぬ
問はれつつ押さへられゐる上腹部痛くて我は答が言へない
病む窓に朝々見下ろす白き百合花の見ごろを人の切りゆく
ゆっくり休めと見舞ひくれし親方のズボンが鋳物の土に汚れゐつ
全快して退院する者ここに居ても治らぬと言ひて出でてゆく者
スチロール箱にピーマン育てゐる妻よ嫁ぎ来て七年今は厄年
幼児の昼寝してゐる傍に癒えて帰りし体横たふ

2014/08/19(火)
雷雲接近

2014/08/15(金) 旧作
奄美の島(昭和46年)
離陸してしばらく機体傾けるままに雲を突き抜け昇る
午前三時汝のやすけき息の音冴えたる月の窓に差し入る
森の木々照らして月の上りゆき夜更けて峡の遠き水音
波に乱れ漁火一列遠ざかり島の向ふに月出づるらし
朝の霧段なし流れくる岬濡れゐる岩に汝とたちたり
朝霧の流れゆく先に連なるは石積む垣と屋根低き村
巻雲と海の隙間に突き出でしあやまる岬を包む白波

2014/08/12(火) 旧作
     鋳物工場【旧作・昭和50年)
ルツボより熔けしアルミを汲みあげて鋳型に注ぐ間言葉を絶ちぬ
飛散して丸く固まりし湯玉の上フォークリフトに鋳型を運ぶ
ひと夜経て未だ熱もつ熔解炉張り替ふる煉瓦もち昇りゆく
湯玉浴び肌に負ひたる火傷の跡の一つふたつは誰にでもある
音も匂ひも慣れてしまへば苦にならず迷はず働くは仕合せにして
自動化されし鋳造工程にただ一人アルミ製防熱服着て鉄を注ぐ
型砂の焼けゐる匂ひ湯玉踏む地下足袋のゴムの焦げゐる匂ひ
鋳残してインゴットに流しゆく鉄が夕暗き工場に光を放つ
型を込む鉄を鋳る鋳型の砂落すなべて百米のコンベアーの上
降りかかる湯玉浴びつつ取鍋に真赤く熔けし鉄を汲みゆく
出湯を告ぐる電鈴響きシャツを脱ぎ長き杓を持ち集りて来る
炉の温度上りとけゆく鉄塊が火の色となり沈み始めぬ
熔けし鉄は運ぶ杓より溢れたりこぼれしは必ず高く飛び散る
電気炉に続けて湯玉爆ぜるとき鉄鋳る工場華やかに見ゆ
砂埃激しき熱気飛ぶ湯玉恐れてゐては仕事にならぬ
工場排水に生かされてゐる池の金魚立札は記す魚齢三歳
鉄を鋳る傍を防塵眼鏡かけ両腕に煉瓦をぶら下げ運ぶ
柄の長き杓にくむ赤々と熔けし鉄腰低くして鋳型に注ぐ

2014/08/11(月) 台風のあと
空は秋模様

2014/08/10(日) 台風11号
いなべ川 坂井橋

2014/08/07(木) 旧作
     おづおづと(昭和54年作)
おづおづと口ごもりながら物言ひて結局この人に嫌はれてゐる
予期せざる言葉に戸惑ひ口ごもり頬熱くなりて部屋を出できぬ
脱硫して清しと宣伝する排気黄砂の空へ流れゆきたり
群れをなし水に浮きゐる鴨なべて波に直角に漂ひゐたり
今日我は残業となるらむ熱下がり意識戻りし子の傍を立つ
アルバイトの女子高生に突然に「お疲れですか」と声かけられぬ
働きつづけて病むか病むまで働くか硅肺検診車に鋳物師並ぶ
なべて誰も不平を言ふとき背を丸めぼそぼそ言ひて聞き取りにくし
この案に反対する人どんな時も必ずなにか不平を漏らす
職捜し中のアルバイトのつもりが十年を意気地なきままここに勤めし

2014/08/06(水) ミニトマト
自家製  びっくりするほど! 甘い!

2014/08/02(土) 旧作(昭和42年作)
     車内検札
菜の花と麦の穂花瓶に挿してあり空きゐる特急の乗務のどけく
人いきれに曇る電車の窓硝子幼児は左手に「あ」の字ばかり書く
惰性を自覚し検札をする車掌我に厳しき視線ひとつまつはる
様式変りなじめぬ切符切りし今日疲れてながく風呂に浸りぬ
乗客を見切りて発車する時にするどき罵声を車掌我が受く
扉スイッチ押す指と改鋏持つ指と車掌わが手に胼胝ふたつあり


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