|
2014/07/31(木)
昭和46年作
|
|
|
雀おどしの音 圧搾銃に鋲を打つ音響きゐて干拓地の日暮れ茄子色の靄 岸壁を離れむとする黒き船ながくかかりて向きをかへたり 駅の階段に書かれし色つき宣伝文字踏みつけてあまた人の上りゆく 少しつよくネクタイを締めて雨の降る朝の駅に我は人を待つ 霞だち午後しづかなる山畑に雀おどしの音の爆けぬ 風止絶えはやく曇りてくる空に鳶の声村に豆腐売る笛 我が知恵に計り難き身の回り四緑木星凶といでたり 疑へば心しづみて昼過ぎし霧の冷たき駅に降りたつ 信号待ちの車はなべて屋根ひかり動き出すとき右窓ひかる
|
|
|