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2004/03/25(木) 王政回復時代および古典主義時代 
【王政回復時代および古典主義時代の文学】チャールズ2世が議会に迎えられ王政が回復すると,ピューリタン時代への反動から,国中に一時乱脈・放縦な気風がもどりかけたが,やがて名誉革命をへて,理性と抑制の時代へと移っていった。この時代に英語の散文が確立し,諷刺文学が生まれた。共和政時代に禁じられていた演劇は復活したが,エリザベス朝以来の劇の伝統は断たれ,フランスの劇作法の影響を受けた風習喜劇が隆盛となった。劇作家としては,ウィリアム=コングリーヴ(1670〜1729)やジョン=ドライデン(1631〜1700)の名前をあげることができる。とくに後者は,政治的諷刺詩『アプサロムとアキトフェル』や『劇詩論』を書いて詩や評論のほうでも活躍し,この時代を代表する詩人劇作家であった。

 18世紀に入ると,アレキサンダー=ポープ(1688〜1744)を頂点とする古典主義的傾向の強い時代となる。いわゆる〈散文と理性の時代〉となり,秩序・均衡・常識を重視する風潮が文学においても主流となる。作詩は美的洗練が目標となり,詩人たちは因習的な詩語を盛んに用いて技巧をこらした。ポープの『批評論』や『人間論』まで,散文でなく,英雄詩格を用いて韻文で書かれなければならなかった時代思潮のなかでは,叙情詩があまりふるわなかったのも当然であろう。一方,平明達意の近代の散文が完成し,ジョナサン=スウィフト(1667〜1745)は散文で当時の政治・社会・思想等を諷刺する『ガリヴァー旅行記』を書いた。散文の発達とともにジャーナリストの活躍が始まり,社会・風俗・政治・宗教・文学等を論ずるエッセイが盛んに書かれるようになった。18世紀後半は,サミュエル=ジョンソン(1709〜84)と彼をめぐる文人たちの時代であった。ジョンソンは詩や小説も書いたが,その本領は最初の英語辞典の編さんと『イギリス詩人伝』の執筆に発揮された。従来の責族階級に代わって新しい中産階級が興り,個人の自覚と社会的意識がしだいに強くなっていった。また,かつての荒唐無稽なロマンスに代わって,現実の生活を題材とし,英雄でなく平凡な市民を主人公とする物語を人々が求めるようになった。写実的描写力をそなえた散文の発達と相まって,小説というジャンルが育つ条件が整ったわけである。この時代に活躍した4人の小説家たち,すなわち,サミュエル=リチャードソン<(1689〜1761)ヘンリー=フィールディング(1707〜54)・トバイアス=スモレット(1721〜71)・ローレンス=スターン(1731〜68)等は近代小説の祖というべきであろう。【ロマン主義復興期の文学】18世紀末から19世紀初頭にかけては,国外ではアメリカの独立宜言やフランス革命がおこり,国内では産業革命が社会機構や国民生活を変革し,文学においても新しい時代の到来が待たれる時代であった。そしてこの新しい時代の到来を告げる記念すべき事件が,ワーズワースとコールリッジによる『抒情民謡集』(1798)の出版である。彼らはこの小説集の序文において,理性ではなく想像力や情緒を重んじるロマン主義の時代の到来を宣言した。ロマン主義復興は,文芸復興にも比べられる新しい汎ヨーロッパ的文芸思潮である。それは,自然への愛,中世趣味,異国情緒,自我の主張と社会への反抗,理想主義,美への情熱等をその特質とする。〈詩は強烈な感情の自然なる流出である〉とするウィリアム=ワーズワース(1770〜1850)の主張に,古典主義時代への訣別を読みとることができる。自然詩人と称せられたワーズワースの詩は,自然と人間との感応から生まれ,自然のなかに人間の道徳的根拠を求めるものであった。詩人の魂の成長を歌った自伝詩『序曲』は代表的傑作である。彼の友人サミュェル=テイラー=コールリッジ(1772〜1834)とその義弟ロバート=サウジー(1774〜1843)もこの時代を代表する詩人たちである。以上の3詩人が確立した新しい詩の方向をさらに押しすすめた詩人たちは,情熱と自由の詩人ジョージ=ゴードン=バイロン(1778〜1824)と,愛と革命の詩人パアシイ=ビッシ=シェリー(1792〜1822)と,美至上主義の詩人ジョン=キーツ(1795〜1821)であった。彼らはいずれも若くして外国で客死した。ウォルター=スコット(1771〜1832)は,ロマン主義の特質である中世趣味と写実主義の技法をもって歴史小説を生み出した。奔放な空想と巧みな物語からなる彼の小説は,大がかりな事件と壮大な背景とが完全に調和した雄大なロマンスであった。一方,同時代の女流作家ジェイン=オースティン(1775〜1817)は,スコットと対照的である。中産階級の平凡な日常茶飯事や人物の心理まで女性らしい繊細な筆致で描いた彼女の小説は,ロマン主義より自然主義に近い作風を示し,今日からみればスコットよりも新しい。種々の評論雑誌が創刊され,エッセイが盛んに書かれるようになった。18世紀のジャーナリズムの発達とともに表現力を増していった散文は,この時代の優れたエッセイストたちによって一層磨きをかけられて,深い感情や豊かな想像力にたえるものとなった。


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