香坂の日常・・・
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2005/08/23(火) *それでも*
それでもお前に出会えて良かったと言えるほど大人ではなかったけれど
会わなければ良かったとは思えないほどに、幸せだった


顔は泥だらけなのにその笑顔はいつもキラキラしていた。
そんな笑顔が大好きで、大切で、守りたいと思った。
ただ厳しいだけだった樹海の生活も、お前がいればまんざら悪くもないと思った。
一緒にいるだけで楽しかった。
親友だった。
何か形が欲しくて、二人で親指に傷をつけて友情の証にした。
その親指をぴったりとあわせるのは二人だけの秘密の儀式。
お前には俺。
俺にはお前。
俺の世界にはお前しかいなかった。


けれど。
俺は突然にお前を失った。


再び会った時、お前は色々なものを持っていた。
沢山の、仲間がいた。
自分達の関係も大分変わってしまった。
そのことにちりりと胸が痛むのをごまかすように、憎いと思った。
自分を裏切り、のうのうと新たな仲間に囲まれて生きるお前が。
憎いと思わなければ、どうにかなりそうだった。
同時に、自分の顔を見るたびに辛そうに顔を歪めるお前を見て、見たいのはそんな顔じゃないのにと思った。
じゃあ何が見たいのかなんて、浮かぶ答えを必死に打ち消した。
俺はお前を憎んでいるんだ。
お前には沢山の仲間がいる。
俺にも、背負うものができた。
けれど、今自分を動かすものはやはりお前で。
俺の世界には、失ったはずのお前がまだ色鮮やかに残っていた。



もう憎まなくて良いことに安堵した。
再び友と呼べることに歓喜した。
もう後何度そう呼べるのかもわからなかったけれど。
それでも薄れ行く意識の中、お前の体温が傍にあることが嬉しいと思った。
また辛そうに歪むお前の顔。
そんな顔をしないでほしい。
俺が見たいのは──・・
そう思って、はっとした。
ああそうなんだ。

もっと一緒にいればよかった。
もっと沢山お前と話したかった。
喧嘩だって、もっと沢山すればよかったんだ。

そうしたら、もしかしたら、お前は笑顔をまた俺に見せてくれたかもしれないだろう?
俺が一番好きなもの、見れたかもしれないのに。
「サスケ」
なんて、今の俺に言う資格はないだろうけど。
だからせめて、俺は笑う。
少しでも俺との思い出がお前にとって優しいものになるように。
多少引きつっているかもしれないが。

昔より、沢山のものを抱えるようになったお前。
お前には俺だけじゃないことに痛みを感じないわけじゃない。
けれど今はそのことが嬉しい。
俺がいなくなってもお前は大丈夫だ。
これからはずっと傍で見守っているよ。
ずっと傍でお前が笑顔でいられるように見守るから。
不意にきらりとお前の目から落ちるそれ。
綺麗だと思った。
同時に湧きあがる感情の名を、俺は知らない。
最後に友情の証をあわせる。
自分の中にあるこの感情が、本当に友としてのものなのかはわからない。
友と思うにはこの気持ちは強すぎて。
でもこんなことは、お前には言う必要のないこと。
言ってはいけない。
喉まで出かかる言葉を飲み込んで、俺はゆっくりと目を閉じた。






それでも俺の世界は最期、お前という光りで満たされていた。





***
一度は書かなくてはと思っていたマコサス。
書きたいことがありすぎて物凄い散文に・・・(汗)


いいかげんこの前の地震で壊れかけてる(むしろバッチリ壊れてる)本棚(もどき)を直さなくてはと思いつつ億劫でそのままになってます・・・。
ああ・・・。
眉間にしわがよるー・・・。


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