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2006/03/11(土)
太陽の浮き沈み
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春を思わせるに足る温暖な朝、目覚めた。 目覚めてから、床に足をつけ、戸をそっと開け、 階段をゆっくり降り、もう一度戸を開けて 食堂に入り、机の上に置き去りにしていた携帯電話を 取って、全ての動作を逆送りした。 携帯電話が手元にあることの意味、というものを 特に考えなかったけれど、その時どうしても 要るように思えたのだった。他のどの時計よりも 正確な時を表示するからかも知れない。 それから全てのカーテンを開け放ち、 部屋に雪崩込んだ日光で一時間読書した。 それから一時間宿題をして、 三時間の昼食とテレビを堪能して、 それからまた三時間本を読んだ。 どこまでもそれは貴族的で牧歌的であると言えた。 香りの良い紅茶の香りがどこからか漂ってきたとしても それは全然不思議ではなかった。雰囲気が 鼻から或いは口から、何の抵抗もなく入り込み、 喉を慎重に降りて腑にとろりと沈殿して、 それが充実させ和ませ暖めた。 明日は甲の裂けた白いやつの替わりに、 新しい運動靴を買いに出かける手筈になっている。
--- 丁寧にバイブルを書く せいしょ
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