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2006/08/11(金)
八月十一日
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植田は若干心を入れ換えた。 だから、リハビリのつもりで、少しは机に向かった。 十日の日記を読めば、そしてそれが自分のことであるとなれば、流石の植田であっても反省する。 植田は今をときめく現役大学受験生なのだ。予備校に通うわけでなく、塾へ行くでもなく、 学校の補習と自主学習でなんとか乗り切ろうという強がりを見せているにも関らず、 決心が細い枯れ枝のように脆く弱くてどうするつもりなのだろう。 過去の日記、特に今年に入ってからの日記を読めば、幾度となく反省している植田の姿が垣間見れる。 書いてある部分が全てではないだろうから、もっと自省を繰り返しているのであろうことは想像に難くない。 が、である。反省に当てている時間も含めて勉強から逃げているのではないだろうか。 ああ自分は駄目な奴だ、終ってる、卑劣で下劣で低劣だ…という、植田のその陳腐な使いまわされた言葉による、 上辺だけの、と言って過言ではないこの繰言空言虚言妄言の陰には、 一秒でもサボってやりたいという、実に飽きれる腐った根性が蔓延っているのではないだろうか。 その考えに至って植田はハッとする。 そうである。そんなのは、全くの非建設性ではないか。 昨日出来なかったなら、一週間使ってでも取り戻せば良いのだ。 これまでが馬鹿だったなら、これから努力すれば良いのだ。 どうせ、二十歳までは脳は活発にはたらく。教科書レベルならどうにかなって然りではないか。 それなのに自分ときたら、嗚呼…である。 それを反省しなければならなかったので、今日はリハビリ程度だったんじゃないでしょうか。
--- カーテンこうてん あっそ。
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