|
2006/08/15(火)
八月十五日
|
|
|
今日という日付について社会的にはどうあれ、今日とて連綿たる生の断片として人は暮らす。 さて、この記録で述べられている植田は、読書録でわざわざ西尾維新の著作について 月別ではなく作者の作品としてスペースを取り、分けて書く程ファンであり、 出来るだけ彼の著書については出版されてから早くに買い求めそして読むように心掛けていて、 そんな植田の最大の感心事は、発売時期が延期に延期を重ねられている、 『〈ざれごと戯言シリーズ〉限定コンプリートBOX』というおまけつき収納箱の予約開始日なのであった。 確か去年からずっといつ発売するかというのが不明瞭なまま、とうとう今年にもつれこんだ上に、 なんといつのまにか今年も六割近くが終了した時点で、植田はこの電子の情報網から隔離された。 しかしそれでも世の中は回るもので、登校と下校を繰り返して、夏休みに入って尚それを続けて、 それでから更に、高校野球を見て、二回もお経を聞いて、何冊かの本と、 二十冊近くの漫画を読んだりしていれば、まあ日にちというのは簡単に過ぎるものである。 日々の移ろいが早いことを芭蕉は矢に喩えて、光陰矢のごとしなどという名言を残している。 そして、そのうちに新しいモデムが家に届いて、おじさんがきてセットアップし、 晴れて植田はこの情報が次々に補填される懐かしき世界へ帰ってきたのである。 それから数日が経った今日、何の前触れもなく唐突に冒頭で述べた『〈ざれごと戯言シリーズ〉限定コンプリートBOX』 のことを思いだし、植田は検索をかけた。世界の知を集結せしめんとする米国系最先端企業のグーグルが提供する ロボット型ディレクトリ式検索サービスを有線でつかえば、なんと0.09秒で検索が完了するのだ。 おお、まさしく現代の叡智の結晶ではないか。端末のコンデンサが焼けていようと三秒あれば表示に漕ぎつけられる。 なんと素晴らしいのであろう。久しぶりに操作するとあれば、その感慨も増すというものではないだろうか。 もっとも、それがもたらすものが果報ばかりと考えるのは早計に過ぎるというものであろうが…。 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE+%E8%A5%BF%E5%B0%BE%E7%B6%AD%E6%96%B0%E3%80%80%E4%BA%88%E7%B4%84&lr=
--- 「唖然?あー全然そんなことないですね」 私はそんなことありました。
|
|
|