徒然草
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2009/05/07(木) 伊勢までゆきたる事
暇なのでこの5月7日について日記を書きます(11日の夜、ベンチで)。

この日は私が車を親に借りて三重県まで行きました。
去年の末から度々デートへ行っていた人と二人です。
つまり、今回もデートですね。
まあ最近は一々冗談でもデートとは呼びませんでしたが。

伊勢神宮へ参って暴風雨に雷までが付いたとびきりの悪天候下での帰り路のことです。
後から文学的に考えるとこの神罰のごとき雨はこの先に待ち受けることの予兆だったやも知れません。

私はこの今回のお伊勢参りに一つの決心を持って挑みました。
決心というのは私の中で形成されつつあった気持を伝えようということ。
それが恋と呼ぶには些か不機嫌で適当さを欠くものだったとしても、何か劇的なものを期待して私はそれを伝えなければならなかったのです。

別れの地点まであと二十分くらいまでの高速道路上。
前後を大型車両に挟まれながらサークル内の恋愛の話をしていました。
今しかない、そう思って私は「ところで」と話を切り出しました。
心臓が六倍の大きさになって皮膚を破りそうになったことを覚えています。
「ところで、ここで好きだって言ったらどうかな」

「どうって?」
「どうって…つまり付き合わないかってことだよ」


恥ずかしいまでに露骨な望みを言葉に出来たことを驚き褒める気持と、
次に来る相手の一言に怯え期待する気持が私の全てを占めました。

運転中で前しか見ずに済んだのは意外な幸運でした。


返答は一拍後でした。

「サークルでごちゃごちゃするの嫌やねん」


私はすぐに子供みたいに反論しました。
「ごちゃごちゃなんかせんて…」
しかし何の巻き返しも出来ず、
「するの。友達でいよ?友達が一番いいよ」
とあっさりと押し切られてしまいました。

結局そのまま元の様に他愛のない話を続け、
なんの気まずさもなく車は相手を降ろす所まで私達を運びました。

私は最後の足掻きとして精一杯
「真剣付き合おうってば!」
と言い放ちました。
結局は「サークル内は無理」と何の変化もない返事しか貰えなかったのですが…。

その後。
私はその場所から長い長い距離を走って家まで帰りました。
私の半分は落ち着いていましたが、
落ち着いていない半分が友達に空元気で報告のメールを打ったり、
更に危ないことに少々無茶にアクセルを踏ませるので、
一般道では危ないと思って高速道路に途中から乗って帰りました。

去年の春にも確か私は失恋して、それで随分気が滅入りましたが、
今回は上記の様な結果になったとは言え、そう落ち込んでいません。
と言うのは勿論、全てを捨てられるような気持で相手を好いていなかったからです。
失恋までが予定調和的な淡い、薄っぺらな恋愛でした。

私にしてみれば、この敗北よりも、
この敗北に至る為に一瞬の勇気を奮えたその事こそが大事件だ、そう片付けたいと思います。


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