徒然草
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2011/09/14(水) 「日本ニュース」を観て考えた事
「日本ニュース」とは、国策で誕生した社団法人の事だ。
帝国は、戦前花開いた映画文化の中でも報道としての映画の力に目をつけ、国策として推進。又それは、生フィルム欠乏による国内産業合理化の必要から生まれた物でもあるし、検閲の徹底も目的となっていたらしい。
週一回十〜廿分程度、ナレーション付きの、前線から銃後に至る迄のニュースを放映。
今は殆ど全部がNHKのサイトから視聴可能。

私が見たのは昭和十六年の上半期迄。
考えた事は大筋三つ在る。
日本史・世界史を勉強し直す様な積もりで発見した事。
戦争と云う事態に人々は斯う反応するのか、と云う普遍的な物の感受した事。
映像に依る報道の雛型を見た事。

順に書く。

戦線が長い、広過ぎる。
北は零下何十度のソ満国境から、南は仏印、西はビルマ迄。
戦争に関する地名として十把一絡げだったが、正月の風景がスケートから半袖迄変わると云う驚き。
国内の「新体制」が、近衛首相の私的な諮問機関を中心に作られた事。
アメリカの造船ペースのえぐさ。此の時点で寺の鐘やら折れた釘まで供出している日本との物量差。
国内外で吹き荒れる「新体制」ブーム。
真珠湾攻撃の前に、援蒋ルート空爆によって航空機爆撃の効果を充分知っている。だから国内でも防空演習を盛んにしてる。
昭和天皇は自動車に乗り、消防にははしご車が走り、石炭輸送が効率化され、稲は品種改良が進む一方で、農村には娯楽がなく、戦場には馬が駆ける、そんな時代。
字幕は横書きで左から右に読むのに、ポスタァや垂れ幕の横書きは殆どが右から左に読む。
昭和十五年頃は摂氏ではなく華氏を使っていた。
尺貫が単位。

勝ち戦だろうと、大義名分があろうと、戦死は戦死。遺族には辛い事。そしてそんな事は誰でも分かっている(戦後のテレビドラマで見られるような「名誉の戦死だから良い」と云うようなニュアンスは余り強くないと思った。名誉の戦死と言われる事と陛下の靖国参拝で多少は慰められるか、位)。
「戦前の立派な兵隊さん」と「銃後の立派な臣民」が「一致団結」して「新体制樹立」の為、「聖戦」に「邁進」すると云うメッセージの繰り返し。此れは現代でも通じる論理ではないか。
そして、兵隊さんも銃後市民も所謂「現場」の者だ。是を称えるばかりで、良き指導者を作ろうと云うメッセージは無い。
女性の社会進出に肯定的だったり、子どもの自主性が求められたりするが、其れは、「事変下」の「合理化」。

報道映像に、BGMを付ける「演出」。
発言の切り貼り、編集。


それと…。
機銃の音、砲撃の音、航空機の音、皆怖い。
戦争は外交の手段に過ぎないとは云え、やはり避けられるなら避けるべき物なのだ、と云う今更な実感。


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