舞台裏日記
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2004/07/25(日) 二期会「ドン・ジョヴァンニ」&「愛の妙薬」荒通し稽古
すごかった・・・本当にすごかった。
憧れの先輩・宮本益光さんの二期会デビューということで、昨年の「愛の妙薬」打ち上げで僕に語ってくれたドン・ジョヴァンニを観に行ってきました。
宮本亜門さんの演出は「読み替え」によるものでしたが、
その中でも宮本・ドン・ジョヴァンニは強い光を放っていた・・・。
演出については賛否両論が持ち上がるであろうものだったけど、現在の「時代」を様々な角度から強烈に描いていた。
でもその結果、ドンナ・エルヴィラの執拗なまでのドン・ジョヴァンニへの執念。ドン・オッターヴィオとドンナ・アンナの関係。マゼットの内面的な弱さの訳・・・など、通常の演出ではどうしても生じる違和感や矛盾が具体的に解消されていた。
そして圧巻は宮本・ドン・ジョヴァンニ。

その表現の豊かさ、内面から湧き出てくる色気はもちろんのこと、その人物像を描くにあたっての細やかな言葉の読み込みがすごかった。
ドン・ジョヴァンニの言葉の中に潜む、彼の真の姿を映し出す「キーワード」を一つ一つ丁寧に抜き出し、スポットライトを当てていた。
それがドン・ジョヴァンニの人生観・死生観をはっきりと客席に伝える。彼の行動一つ一つに必然が生まれる。

ドン・ジョヴァンニは全ての人間に慈しみの心と敬愛の念を分け隔てなく与え、そして凝り固まった価値観を持つものたちによって不条理に殺される。

ネタバレになるからここでは書けないけど、
「窓辺においで」での彼の涙・・・。
ラストシーンでは最後の「血」のつながりが彼の死を見送るシーン・・・。
僕は泣いてしまった。

宮本益光さんは道を作った。日本のオペラ界に確実に道を作った。
敢えて大言するが、僕はそれを受け継ぎたい。
そんな想いを強く抱くことのできた素晴らしい公演だったと思う。

その後、夜は「愛の妙薬」の稽古。
気合が入った。もっとできる。僕はもっと「行ける」はずだ。
先へ、先へ。
全ての公演で僕は一つ一つ歩みを進める・・・。


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