舞台裏日記
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2004/08/19(木) 二期会「ドン・ジョヴァンニ」を思い返して
今日、本屋で「音楽の友」を立ち読みしたら、先日の二期会「ドン・ジョヴァンニ」の講評が書かれていた。
記者は初日と4日目を観に行ったらしく、4日目の公演は初日の公演に比べて多くの部分が修正されていたらしかった。
それだけでもあの公演は出演者・演出(照明なども)が最後まで妥協せずに作りこんでいった意欲作だったことがわかる。

★確かに刺激のある演出ではあったよね。
観ている人に不快感を覚えさせるシーンもあった。
でも僕にはそれが「目を逸らすな!」というメッセージに感じた。
アメリカ批判、テロ批判もあったのかもしれないけど、
それ以上にそういった今現実に起きていることから目を背けている僕らはどうなんだろう?それこそがあの演出の持っていた「批判」なんじゃないだろうか?
・・・某新聞に載っていたひどい批評はまさに「目を逸らしている」人が書いているよね。

●オペラって、物語や歌を伝えるものではあるけど、
作る側から言うと、お客さんには「その奥にあるモノ」を一生懸命伝えたいって思うんです(もちろんみんながそうではないだろうけど)。
あの「ドン・ジョヴァンニ」を観て、
「宮本亜門が変な演出をした」とか「客席に刺激と不快だけを残した」と思った人が多かったのはすごく残念。
オペラの本質ってやっぱり伝わっていないんだなぁ、とオペラ界が危機に瀕している現状を憂うばかりです。
・・・例えば映画「ゴッド・ファーザー」を観て「殺人映画」って言っているのと同じようなことだと思う・・・表面しか見えていない。ナンセンス!

◆あの演出で一番浮き彫りにされていたのは「愛」だと僕は思いました。
全てのキャラクターがそれぞれの「愛」の形を信じていて、それを全うしたからこそ事件が起きた。その先にジョヴァンニの死が必然的に訪れた。
僕はその不条理さと、それぞれのキャラクターの「悲しみ(自分の抱く「愛」を貫くからこそ生まれる悲しみ)」がドッと押し寄せてきて、ラストシーンは涙がこみ上げました。
オペラを観てしゃくり上げるほど泣いたのは初めてでした。

■オペラを初めて観た、という若い人はあのオペラをすごく楽しんだようです。柔らかい頭でいろんなことを一生懸命考えながら観た、という感想をたくさん聞きました。
きっとこれからのオペラを支えてくれるのはこういう若い世代に違いない・・・そこに気付かないと本当に日本のオペラはダメになる・・・改めて危機感を感じました。


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