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2006/02/10(金)
【オペラ「ジャンニ・スキッキ」の音楽ききどころ】
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今日は日記に代えて【オペラ「ジャンニ・スキッキ」の音楽ききどころ】 をお送りします。
■3つのアリア■
・・・まずこの作品で一番有名なのがアリア「私のお父さん」 これはラウレッタちゃんが父親であるジャンニ・スキッキに歌う曲で、 恋人のリヌッチオとの結婚を認めて欲しいと訴えかける美しく甘い名曲です。 オペラファンの一部はこの「オーミオバッビーノ(私のお父さん)を聴きに来ている」と言っても過言ではないでしょう。 だいたいこのアリアの後は拍手で一度劇が中断します。 みなさんも大いに拍手をしてください〜。
この他にも音楽的な切れ目はないので歌い終わった後に拍手はいれられないのですが、 リヌッチオやジャンニ・スキッキが歌うアリアがあります。 どちらの曲もかなり難易度の高い曲ですが、意外にも印象に残りません(涙
■引用されたメロディ■
・・・まずはジャンニ・スキッキが登場する音楽。これは歌い手の間では「セブン」と呼ばれていて、 ウルトラマンセブンの「セブ〜ン・セブ〜ン・セブ〜ン!」と全く同じ旋律です。 これはあのセブンのテーマ曲を作曲した某先生が、その作曲の直前にこの「ジャンニ・スキッキ」の指揮をしていたから・・・という説があります。 みなさんも一緒に心の中で「セブ〜ン・・・」と歌ってみては?
・・・このオペラの中には他の作曲家のある曲を完全に引用した部分があります。 それはラストシーン。親戚たちも去り、リヌッチォとラウレッタが愛の二重唱を歌い終わった後。 全ての音楽がなり終わった後にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が引用されてこのオペラの最後を飾ります。 (この後ジャンニ・スキッキの語りによる口上) どんな意図がプッチーニにあったのかはわかりませんが、これほどそのままズバリぱくってくるあたり・・・よっぽどの思い入れがあったのでしょう。
この他「ライトモチーフ」と言ってキーとなる物や人物のテーマソングが、 いろんなところに散りばめてあります。
・・・たとえば『遺書』のテーマはオペラ後半に何度も出てきますし、
リヌッチオが初めて『ジャンニ・スキッキ』の名前を口にするときと、 ジャンニが遺書作成のシーンで自分の名前を言うときのメロディ が同じだったり、
同じく遺書作成のシーンでジャンニの企みが明白になったときには、 オペラの冒頭で流れる「序奏」が現れます。
そしてジャンニ役の僕としては、遺書作成のラストをぜひ注目してもらいたいです。
・・・公証人たちには「遺言」を、 そして親戚たちには遺書偽装の刑罰の「警告」を。
なんと二つのメロディを同時に交互に歌っていきます。 これはきっとどの作曲家もやっていない手法です。
二つの曲を同時に、しかも2種類の声で歌い分けねばなので、 ウルトラEぐらいの離れ業をやってのけねばなりません。 最もハラハラドキドキするシーンですので・・・ぜひ注目!!
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