舞台裏日記
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2006/02/16(木) 「ジャンニ・スキッキ」音楽稽古
薬が効いているらしく奥さんの具合もだいぶ良くなりました。

今日は夜に「ジャンニ・スキッキ」の稽古。
立ち稽古を繰り返すうちにだんだん音楽面が雑になってきたので、
今日は改めて音楽稽古をすることになりました。

そんなわけで昨夜から改めて楽譜を読み返し、
強弱記号や細かい指示などを全てチェックしていくと、
いや〜本当にプッチーニは天才だ。良く出来ていますよ。
なるほど・・・。
今日の音楽稽古で表現の絞り込みができたし、
自分の中でもかなりジャンニ像・ブオーゾ像が明確になってきました。

ブオーゾ像
CDとか聴くと、ジャンニ・スキッキがブオーゾの変装をするとき、
ブオーゾの声マネを面白い声で作っている人が多いです。
そうするのがいつの間にか慣例になっているし、
僕も最初はそうしていました。

でも・・・よく考えてみると・・・。
確かに変な声を出せば笑いは取れるかもしれないけど、
でもたぶん劇が進んでいくうちにお客さんも慣れてしまうし、
結局、出オチ・・・もしくは内輪ウケな感じになってしまうと思うんです。

で、よくよく考える。
もし、笑いを度外視してあのシーンをリアルに演じるとしたら・・・

もしブオーゾの声マネが医者や公証人にバレてしまったら大変なことになる。
ぜったいに騙しきらなければならない。
その緊張感が逆に面白いんじゃないだろうか?

さらに理由づけしてみる。

ブオーゾは生前どんな人物だったのか?
名家ドナーティ家の息子であるブオーゾは多大な財を築く。
そして妻子を持たなかった(?)彼は、自分の死後、
その遺産を強欲な親族に相続させることなく、
教会の事業のために全額を寄付するよう遺言を残す。
これほど太っ腹で尊大な人物はいるだろうか?

おそらくその知恵と情熱で一代でのし上がってきたジャンニにとっても、
尊敬する人物、もしくは一目を置く人物の一人だったのではないだろうか?
ブオーゾの声色を知り尽くしているほど、ジャンニはブオーゾを知っているのである。

証人として訪れた靴屋や染物屋(この二人が貴族ではなく職人であることも注目)も、
涙を流しながらブオーゾを見舞うほど、彼は多くの人に慕われていたのだ。

そんなブオーゾの声が果たしてヘンテコな声だったであろうか?

僕はおそらくブオーゾの声は深みがあって、渋みがあって、
とってもおおらかな声だったのではないかと思う。

・・・面白い声で面白いことを言う
・・・すごく良い声で面白いことを言う

どちらが知的な「笑い」であるかは言うまでもない。


残り一週間とちょっと。
稽古も残りわずかですが、楽しい舞台になるよう悔いを残さず頑張ります。
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席がまだかなり空いているようです。
どんなに頑張って舞台を作ってもお客様がいなければ公演は成功しません。
どうぞ皆さん、お時間がありましたらお誘い合わせの上お越しください。


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