舞台裏日記
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2006/03/08(水) 長い一日〜新「ジャンニ・スキッキ」スタート
朝から学校へ。
今日はいよいよ僕が作った(昨日できたばかり)テストが行われました。
試験監督しながら生徒が頑張っている様子を眺めると、緊張します。
間違いや訂正はないだろうか・・・。
難しすぎる・・・または簡単すぎたりしないだろうか・・・。
点数がある程度バラけないとテストとしてはダメ。
この加減がうまくいっているかどうかはすごく心配でした。

テストが終わったらすぐ学校を飛び出しました。
お昼から神田で「道化師」の音楽稽古。
ちょっと今朝の緊張のせいかお腹が痛くてつらかった〜。
今日は僕が行く、ということをきちんと伝えていなかったらしく、
僕のために後半もう一回稽古してくださいました。

「シルヴィオってどんなヤツなんだろうね〜」
というマエストロMさんの問い。
シルヴィオをすごく男らしく解釈する人が多いけど、たぶんそれってどこか先入観。

僕はシルヴィオはただの若造だと思います。

ネッダは別にシルヴィオのことを本気では愛していないんだと思う。
むしろ本気で愛していて、あの二重唱なら、相当イヤな女。

人妻と少年の恋愛って少し前に日本でも事件がありましたよね。
ネッダはシルヴィオの若さや純粋さに惹かれてはいるけれど、
飽くまでその場限りの愛・・・ぐらいにしか捉えていないんじゃないかな?
だから「一緒に逃げよう!」って迫るシルヴィオに対してネッダは、
「私を誘惑しないで。そんなの戯言よ。どうかしているわ。」というすごく冷めた返事。
そしてよくカットされてしまう部分はもっと冷たいです。
「悪くとらないでね。私の心は誰にも奪うことはできないの!」

ここまで言われているのにネッダの言葉を遮ってまで諦めず迫るシルヴィオ・・・若い!

結局うまくごまかされたまま、二人は抱き合います。
そして深夜に落ち合う約束をしたつもりのシルヴィオ。
ネッダはただ「今夜・・・あなたのことを想っているわ・・・」と答えます。
彼女は約束はしていない・・・。

もしカニオがあんなに逆上せずに、売り言葉に買い言葉のケンカにならなければ(このケンカはトニオに操られたもの)、
たぶんネッダはシルヴィオのところには行かなかったでしょう。
ネッダはシルヴィオが思うよりも、カニオが思うよりもずっとしたたか。

浮気に逆上した男が妻とその愛人を殺した・・・というのが悲劇なんじゃなくて、
◆本気の恋じゃなかったのに、それが原因で殺されたネッダ。
◆冷静に処理すれば何てことはなかったのに殺人を犯してしまったカニオ。
◆本気で愛し合っていると思いこんだまま、無駄に殺されたシルヴィオ。
◆そしてただの復讐心だけで殺人を助け、結果的に何の得も見出すことのできないトニオ。
すべての登場人物が虚しい結末を迎えてしまった・・・この空虚感こそが悲劇なんだと思うんです。

そう思うとこのオペラの全ての疑問が晴れます。


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「道化師」が終わると、夜は「ジャンニ・スキッキ」。
でもそれまで少し時間があったので、
上野の文化会館・音楽資料室で「蝶々夫人」のLDを鑑賞。

カラヤン指揮のフレーニ&ドミンゴの映画版は、
なんだか間違った『日本』がいっぱい出てきて、思わず吹き出してしまった・・・。
ボンゾはなんだかサイババみたいだし(笑
シャープレスのキャラクターも中途半端。
ピンカートンと同化して、いやらしいキャラクターにしていたけど、
これは完全にスコアの読み間違い。

もう一つは林康子先生がスカラ座で蝶々夫人をやったライブ録画。
浅利慶太さんの演出で、すごく日本の美が表現されていた。
とても美しい舞台で、良かったです。
ボンゾのキャラクターも共感。
ただのデカブツではなく、思慮深さが表れていました。

夜になり荒川区へ。
5月の「ジャンニ・スキッキ」に初参加です。
再びベット役を歌ってみて思ったのですが、昨年11月に歌ったときに比べ、
自分の声が成長しているのがよくわかりました。
表現の幅も広がっている・・・。
過去に共演したことのある人たちとも再会して、なんだか懐かしい。

・・・っさ。テストの採点をせねば・・・。
ほな。いざ!「採点地獄」へ!


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