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2007/01/18(木)
クールなジェルモン・・・ではダメ
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今日はこのホームページからレッスンを申し込んでくれた新しい生徒さんの初レッスンを池袋で。
その後、オペラ研修所へ行きました。 今日は「リゴレット」2幕の二重唱と、「椿姫」2幕の二重唱。 このニ作品について、ちょっとしたエピソードがありまして・・・ 「リゴレット」の初演でタイトルロールを歌ったバリトン歌手ヴァレージは、 とても音域も広く、演劇的な表現力も持った素晴らしい歌手だったそうです。 実はこのヴァレージが「椿姫」初演のときにジェルモンを歌うことになったのですが、 作曲者ヴェルディは猛反対したそうです。
結局、作曲家の意向を劇場側が無視する形でヴァレージ:ジェルモンが初演を歌ったのですが、 この初演は失敗に終わったそうです。
バリトンがタイトルロールだった「リゴレット」に比べて、ジェルモン役は歌う部分が少なく、 そのためヴァレージがやる気を失っていた・・・とか、 すでにこの時点ではヴァレージは声のピークを過ぎていた・・・など、 様々な説がありますが、ヴェルディの反対の仕方からいっておそらく、 【リゴレット】歌手=【ジェルモン】歌手は成り立たない、 という考えが作曲者にはあったようです。 ・・・現代では、ヴェルディ・バリトンならどちらも歌えなきゃ・・・みたいな概念が成り立ってしまっていますが。 --------------------- そんなわけでこの2役を同時に歌うのは非常にキツイ!! ・・・という、ただの言い訳です・・・m(_ _)m ---------------------
さてさて、ジェルモンという人物像を僕は「非常にクール」に演じていました。 しかし彼の腹の中には子供たちへの強い愛情があり、 それゆえにヴィオレッタにアルフレードとの交際を断念するよう強く説得するのでした。
僕はその【強い意志】を表現したくて、一切動じない真っ直ぐな歌い方をしていたつもりでしたが、 結果的に棒歌いになってしまい、微妙な心の変化を表現しきれていませんでした。 (年齢を老けさせようとしていたのも原因なんだろうな)
まずは内面の動きを表現しなくては・・・。 その後に「外側の殻」を形成していく方法にシフトチェンジしよう! 上っ面で演じちゃあダメだな〜と改めて気がついた授業でした。
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