舞台裏日記
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2007/04/08(日) 「魔笛」終了!
お越しいただいた皆様。共演者の皆様。支えてくださった方々。
本当にありがとうございました。
おかげさまで無事二日とも公演を終えることができました。

本っ当に長かった!!

5年ぶりのパパゲーノ役。
常にパパゲーノは演じたいと思い続けた末の公演でしたので、
今年1月からの公演活動を全て休止し、この公演に賭けていました。
以前も書きましたが、僕は二回悔いの残る公演が続いたらその時点で引退をしようという決意でいます。
今回は自分を追い込んで追い込んで臨もうと決めていました。

12月末に音楽稽古がスタート。
1〜2月の二ヶ月をかけて音楽を固めていき、3月から立ち稽古。
初めてのドイツ語オペラに悪戦苦闘し、暗譜もなかなか進まず、
悔しさと焦りで眠れない日々が1ヶ月近く続きました。
電車の中では「魔笛」に関する資料や論文と、
楽譜と台本を常に読みながら、ブツブツと暗譜をする怪しい人物と化しました。

3月後半に入り、急遽2日とも出演することが決定しました。
二回も本番ができる!と喜びながら演じました。

・・・というのはウソです。
そう自分に言い聞かせてきましたが本音はそうではありませんでした。

アンダーステディもいない・・・ダブルキャストの相手もいない・・・という状態。
残るは通し稽古・オケ合わせ・ゲネプロという状態でしたから、
とにかく毎日の稽古を一度も休むわけにいかない。
風邪をひく訳にもいかない。
本番は何があっても二日とも出演しなくてはいけない。
・・・といった精神的なプレッシャーに苦しみました。

万全の体調管理。
少しでも気を緩めたり、弱気になったらダメだ・・・と自分を鼓舞してきました。

終わったからやっと本当のことを言いますが、最後の一週間は心身共にボロボロになりながら頑張りました。
腰は激痛。手足は筋肉痛。
ノドは不思議と最後まで元気でしたが、疲労からか咳が止まらず薬漬け。
夜は湿布だらけの身体で毎日寝ていました。

でも。
公演を少しでもいいものにしたいと想う共演者。
スタッフの皆さんの温かい心遣いや、
チケットを買ってくださった友人、仲間、ファンの皆さんのことを思うと、
自然に力が湧いてきました。
微力な僕の精一杯の力を出し切りたい。
その一心で歌い演じました。

本番で舞台の上に作り上げられたものがどんなものであったのかは、
正確に客観性を持って見ること、思い返すことはできません。
ただ、自分の全ての想いは表現できた・・・。
まだ足りないものはたくさんあるけども、誰よりもパパゲーノという男を、
「魔笛」という作品を、そして『オペラ』そのものを愛することはできたと思います。

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長くなってしまいましたが、最後に一つ。

パパゲーノは必死に生きていました。
誰かを笑わせるためではなく、自分を良く見せるためでもなく。
ただただその一瞬一瞬を真っ正直に、純粋に、一生懸命生きているのだと思います。


・・・そんなパパゲーノに、僕は少しでも近づきたいと思いました。


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