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2000/03/10(金)
放浪人的青春日記〜なかなおりB〜
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ちっぽけな僕一人の体では背負いきれない感情が涙となって押し出される。
「泣き虫だなぁ駿ちゃんは」 「…、るさッ…ひ」
わざわざ席を立って抱きしめてくる彼を愛おしく思うのは。
「シャンプーのいいニオイする」 「…俺女じゃないよ」 「女の子よりほっとけない」 「…なにそれ」 「なんだろね」
微笑まれて苦しくなる胸の痛みが何よりの証拠。
だめなのに。 だめなのに。
「…槙さん」 「ん?」 「あ…、」
ピンポーン。
「槙ぃー駿ー、いるかー?」 「…寛さんだ」 「…」
『ありがと』
言い掛けて、チャイムの音にかき消された。
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