|
2000/01/27(木)
放浪人的青春日記〜保健室編〜5
|
|
|
悪夢にうなされているのか、駿は額に汗を浮かべ、シーツの中で苦しそうにもがく。
「ちょ…大丈夫?駿ちゃ…」
見かねた槙が駿を起こそうと肩に手をかけた、その時。
ポツリ。
「…んじて…のに…」
涙。
「――……」
その光景に槙は絶句した。
どうして。
駿の涙など、今朝とっくに見ていたはずだ。 それなのに。
なぜこんなにも胸が痛む?
そんな疑問を抱くと同時に押し寄せたのは、どうしようもない切なさと、触れたいと思う衝動。
涙をすくいたい。
ただ、それだけ。
|
|
|