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2000/01/28(金)
放浪人的青春日記〜保健室編〜6
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「泣かないでよ…」
聞こえるはずもない相手にこぼした言の葉は何の意味も持たずに宙を舞う。
未だ止まりそうにない彼の涙を拭いたくて反射的に手をのばす、 と。
「…まき、さん…?」
「!」
頬に指が触れるか触れないかのところで名前を呼ばれ、虚ろな瞳と視線がかち合う。
「…怖い夢でも見てた?随分うなされてたけど」
平静を装い、出しかけた手を引っ込める。 一方駿はというと、まだ意識がはっきりしていないのか、返事も曖昧に目をこすりながらゆっくりと体を起こす。そして、ようやく自分の異変に気づいた。
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