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2000/01/03(月)
放浪人的青春日記・2
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「あの校舎の中かな…?」 途切れ途切れに聞こえてくるその歌声に導かれるように、声の主を探す。 そこは本館と少し離れた校舎で、微かに古びた塗料の匂いがした。 (石膏像に画材…美術室かな) 教室のドアの隙間から大体のモノは見て取れた。そして、窓際に座り気持ちよさそうに歌っている人物を見つける。と、 「ぶはっ!!」 「…?!」 その人物を見た瞬間、駿は吹き出した。そこで歌声が途切れたのは勿論のこと、その人物が驚いた様子でドアの方に振り返る。 「誰?」 さっきの歌声とはまた少し違った、気の抜けた声が駿に問いかける。
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