●○脳内days○●
恋とか とか
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2000/01/21(金) 放浪人的青春日記・20
「……っ!」

フラッシュバックした言葉が再び胸を突き刺す。


思い出したくないのに――…


「どしたの駿ちゃん、顔色悪いよ?大丈夫?」
「へ…?!」

心配そうな宇佐の呼びかけに、駿の意識が覚醒する。

「あ、ごめ…っ、何かちょっと疲れちゃって!柄にもなく緊張してたのかな!あはは…」
「なに、意外とデリケートさん?」
「そりゃ奏ちゃんと比べりゃ誰だってデリケートに見えんべ?」
「あ゛ぁ〜?!」
「はいはいストォーップ!そこまで!」

晃と奏人の絡み(コント)に割って入る宇佐。意外と頼れる兄ちゃんである。

2000/01/20(木) 放浪人的青春日記・19
「そーなんだ、よろしく!俺は…」
「駿ちゃんだろ?」
「え?」
「今や駿ちゃんの事知らないヤツなんざぁ、鈍なうっさんくらいだよな〜!」
「悪かったな!」
宇佐をちゃかし始めた晃達の和やかな雰囲気とは対照的に、駿の表情が微かに曇る。

(みんな…俺のことどう思ってんだろ…)

噂の内容からして、決して良い印象ではないことは確かだ。


―――…怖い。

その笑顔はホンモノ?
俺にかけるその優しい言葉達に嘘偽りはナイ?


駿の心に黒いモヤが陰り始める。


“ホントはずっと大嫌いだったよ、お前なんか”

2000/01/19(水) 放浪人的青春日記・18
「ぅおっ、噂をすれば影ってやつ?」
「よっす!晃、渋ちん」
「うぃ〜!」
「よっすじゃねーよ奏ちゃ〜ん。探したよ!」
「わりわり!」

「あ…えーと…グループのメンバーさん、とか…?」
ワンテンポ遅れて会話に入った駿は、4人の仲が良さそうな雰囲気に微かな疎外感を抱いた為か、少し控え目に聞いてみる。
「そっ。はいじゃー右から自己紹介始めっ!」
「うっす!ダンサーの晃でぇす!」
「はい!キセキの四駆、渋谷幸文です!DJやってます!」
「2人共駿ちゃんとタメだよ。で、同じく演劇部仲間っ」

2000/01/18(火) 放浪人的青春日記・17
「うっさんは俺と同じ演劇部の2年生でぇ、一緒にラップやってたりすんだよね〜」
ケラケラ笑いながら宇佐が身に付けているサンバイザーをいじって奏人が言う。
「演劇ん中でラップやんの?」
キョトンとした顔で聞いてくる駿に宇佐が笑顔で答えてやる。
「いや、部活とはまた違うんだなこれが。何だろ…趣味みたいなモン?」
「個人的なグループ活動ね!」
「へぇ〜。グループって事は他に何人かいるんだ?」

「「ビンゴー!!」」

駿が聞き返した次の瞬間、奏人でも宇佐でもない、他の男の声がキレイにハモった。

2000/01/17(月) 放浪人的青春日記・16
「ざぁーす!うっさん!どったの?」
「どったのじゃねーよ!今日は飯食いながら次のライブの事考えよーって言ったじゃんかよっ」
「…あ。」
ハァ、と溜め息を吐き、呆れ気味にうっさんと呼ばれる男が奏人に問いかける。
「で、この子誰?」
指さす先はもちろん駿。
「はいはーい、今や時の人、清牙駿ちゃんでーすっ!」
「?時の人?有名人なの??」
「…出たぁ〜天然。知んないの?噂の転校生よ?」
「ふ〜ん、そ。まいーや。俺は宇佐!ヨロシクね〜駿ちゃんっ」
「あ、ども」
差し出された手におずおずと握手を交わす。

2000/01/16(日) 放浪人的青春日記・15
「つーかまだ名前知んねーし。同クラ?」
「あ、マジ?悪ぃ!俺奏人(そうじん)っつーの。同クラね。よろっ!」
「いそじん?」
「あほっ!そりゃうがい薬だっつの!!」
「お、ツッコミうめぇ」

そんなアホなやり取りをしている2人の背後から、誰かの呼びかける声がした。

「あーっ奏ちゃん!こんなとこにいた〜!」

そう言ってこちらに向かってくる男のステップは軽やかで、何か小動物を思い出させる感じである。
(なんだってここの生徒は色黒いヤツが多いんだ…)
そんなことぼんやり考えている駿を後目に、奏人が口を開いた。

2000/01/15(土) 放浪人的青春日記・14
「どーせ物珍しいだけだろ」
「ばっかお前、あの野次馬どもと俺様を一緒にすんじゃねぇよ!」
「一緒だろ…(行動力以外は)」
「清牙。俺をよ〜く見ろ。お前と俺は決定的な共通点がある!」
そう言われ、渋々と男に目を向ける駿。なかなか聞き分けのよい元ヤンである。

「…まさか」
「そう!肌が白い!!」
ギャハハ、と何がそんなにおかしいのか、手を叩いて笑っている。
「…ばっかじゃねーの」
あまりのくだらなさに駿の表情も自然と和らぐ。
「お、い〜ね!お前、笑ってた方が全然イイって!やっぱ人間笑顔が1番だっしょ〜!」

2000/01/14(金) 放浪人的青春日記・13
駿が連れて来られたその場所は、周りにちらほら建っているビルのせいか、お世辞にもあまり眺めが良いとは言えない学校の屋上だった。
「んあ〜…っ!い〜い天気だぁね〜」
「…」
「…くぉら。眉間にシワよってんよ?」
ツン、と額を指先でつつかれ、駿のそれがまた一段と深まる。
「何、拉致られたとか思っちゃってんの?」
「助けてなんて言った覚えねぇし」
「助けたなんて思ってねぇし?」
ハハッ、と笑いながらその男は続ける。
「俺は単にお前にキョーミ持っただけ。なんつーの?…シックスセンスってやつ?」

2000/01/13(木) 放浪人的青春日記・12
目の前に現れたのは、茶髪の立て髪に色メガネ、駿に負けず劣らずの色白い男だった。
心なしか所○ョージに似ている…いや、かなり。
「はい決まり〜。ほれ、さっさと行く!はいベントー持って〜!」
「え、ちょっと…?!」
「だーもぉ!おめぇらさぁ、見せモンじゃねんだよこっちは。散れ散れっ」
男は駿の背中を後ろからぐいぐいと押して、人混みをかき分けて行く。
(何なんだ一体…)

先行きに不安を感じずにはいられない転校初日の午後であった。




ちなみに槙と厚志は只今保健室にて仲良くオネンネ中。

駄目コンビ決定!

2000/01/12(水) 放浪人的青春日記・11
キーンコーンカーンコーン…

授業の終わりを告げるチャイムとともに、教室の廊下側の窓には人だかりができる。その視線は皆、ある1人の人物に集中していた。
転校生の駿である。

『えー、あれがぁ?全然弱っちそうじゃーん』
『てか白っ!あたしより美白だし』
『だから噂って当てになんねんだよなー』
『いやでも人は見た目によらないって言うし…』

「……」

イヤでも聞こえてくる耳障りな誹謗中傷の言葉達。
居心地の悪さに駿が席を立とうとしたその時だった。

「清牙〜!一緒にメシ食わねぇ?つか食おっ!」
「へっ…?」

1月絵日記の続き


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