●○脳内days○●
恋とか とか
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2000/04/07(金) 放浪人的青春日記〜きみとあくしゅC〜
「優しいね、駿ちゃんは」
「違う!!自己満だ、こんなの…俺は…、」

弱くて卑怯な臆病者だ。

「じゃあどうしてそんな顔するの」
「え……」


体が反転したかと思えば、両頬を手で覆われていつの間にか目の前にある厚志の真剣な顔。


「俺はね、人痛みを知らないで優しさなんて生まれないって。そう思ってる」


目がそらせない。
喉の奥が熱い。


「ほら、その泣きそうな顔。感情がモロ出てる」
「ッ……!」
「そんな顔できるのに、どうして心を殺すような生き方するの」


涙でぼやけた視界に映る彼の表情は
ひどく悲しそうで。

2000/04/06(木) 放浪人的青春日記〜きみとあくしゅB〜
「…すげ、つらくてさ。なんか、自分がいらない人間みたいに思えて」

大切な人に必要とされなくなることは
何よりもつらくて。

「だから、逃げた。人と深く関わり合うことから」


またあんな思いをするくらいなら
大切な人なんていらない。


「……だから、あんなこと言ったの?」

ずっと黙っていたせいか、少し掠れた声で厚志が問いかける。

「…どうしようもないんだ。ただ、恐くて…今だって恐い。こんな話…」
「じゃあ、なんでここに来たの?」
「それは…、」


人の悲しむ顔なんて見たくない、と。


「俺みたいな思いを、してほしくなくて…」

2000/04/05(水) 放浪人的青春日記〜きみとあくしゅA〜
「………ぅん…」

ズッ、と鼻をすすると彼は消え入りそうな声で小さく返事した。

涙声が痛々しい。

まるでさっきまでの僕。

けれど彼をこんな風にしたのも、僕。

そう思うと苦しくて。

「……ごめん、な…」

つい出てきたありきたりな言葉に自分でも嫌気がさす。

そうじゃない。

ちゃんと言わなくちゃ。

「……俺……、」

蘇る記憶に目眩がしそう。




「裏切られたことあるんだ。大好きだった人に」


「、!……」


本当は、今でも。


「すげぇ、大切でさ。ずっと一緒だと思ってた。…けど…」


結局は僕の独りよがりで。

2000/04/04(火) 放浪人的青春日記〜きみとあくしゅ@〜

「厚志…」
「…!」

驚かせぬよう、呟くように小さな声で名前を呼ぶと、
やはり彼は驚いた様子でこちらを見上げてきた。
かと思えば、慌てて涙を拭い、また俯いてしまった。


本当は来るべきじゃなかったのかもしれない。

きっとここは厚志にとって安心して泣ける場所、
独りになるための空間なのだろうから。


それでも。


「…隣、座るよ」

言って、厚志にもたれ掛かるくらいの距離で腰を下ろす。
ただし、背を向けて。


「お前が俺の顔見たくないってんならそのままでいい」
「…、」
「俺もこのままで話すから。だから、聞いて」

2000/04/03(月) 放浪人的青春日記〜ねがいA〜


もし、そうなら


「俺と厚志も…そうなれるのかなぁ…?」


気づいてしまったんだ。

拒絶してる心の奥の奥。

本当は願ってる、
欲しがってる。


信じること、
背中を任せられる深い絆を。


僕を必要としてくれる人が
僕には必要なんだ。



「はぁ、は…きつ…っ、」

階段を一気に駆け上がる。


君まであと少し。


何から話そう?

どうしたら君は笑ってくれる?





「、ッふ…、…」



うずくまって泣いている彼の側に
静かに歩み寄る。



今度は僕が涙をすくう番。

2000/04/02(日) 放浪人的青春日記〜ねがい@〜
行かなきゃ、君のもとへ

早く、早く。


バタバタバタバタバタバタ

「こらぁ!廊下は走るなー!てか今授業中だそー!!」
「すんません急用っす!!」
「あっ、オイ!!こら待てー!!」

ぽっちゃり気味の先生を振り切りただひたすら走る。


『厚志なら多分視聴覚室の階段にいるよ。屋上に登る階段の手前んとこ』


うらやましいとさえ思った。


独りで泣ける場所があって、それをちゃんと理解してる仲間がいる。

それはきっと互いに信頼し合えてる証。


「会えば喧嘩ばっかしてんのに…」


喧嘩するほど仲が良いって

寛さんが言ってこと、ホントかも。

2000/04/01(土) 放浪人的青春日記〜ひとすじのひかりD〜
あなたが創り出す空気はこんなにも心地よい。


『誰にでもそーゆーことする人だから』

厚志はああ言ったけれど
それは悪い意味なんかじゃなくて。


「喧嘩の原因とか俺知んねーから。よくわかんねーけど、」
「ん?」
「厚志は優しい奴だからさ」
「…うん」
「怒るってことはきっと、心配してるんだと思う。駿ちゃんの事」
「…そっかぁ」


きっと誰にでも平等に優しいんだ、この人は。

「槙さん」
「ん?」
「ありがと」


笑って言うと、答えるように向けられたその笑顔に

真っ暗な雲の隙間から輝く星を一つ、見つけた

そんな気がしたんだ。


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