●○脳内days○●
恋とか とか
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2000/03/31(金) 放浪人的青春日記〜ひとすじのひかりC〜
自分だけが傷ついたなんて
どうして思ってしまったんだろう。


「駿ちゃん」
「…っ」
「泣いてたって何も解決しないよ?」


わかってる、
わかってるよ。


「駿ちゃんはどうしたいの?」


僕は、


「…謝りたい…っ」


また笑いあいたい。

傷つけたままなんてイヤだよ。
だって僕も痛いままだ。


「はい、じゃあ泣きやんで」
「、んっ…」


涙を拭い、立ち上がる。
もう逃げない。


「おっ、男前に戻ったね」
「…がってん!!」
「それ江戸前じゃん」
「あ…まあ、ゆぅたらね」
「えーうそー今度は関西人?」
「あは、」


ほら、やっぱり。

2000/03/30(木) 放浪人的青春日記〜ひとすじのひかりB〜
「っ…なん、」
「厚志がこっから出てくんの見えたから。…喧嘩したの?」

なんでわかんのって言う前に答えられた。
ホント何でもお見通しみたい。

「…怒らせちゃった」
「みたいね。スゴイ形相 だったし、」

更に追い打ちをかけるみたいに続けた槙さんの一言が、俺の頭を真っ白にさせた。



「泣いてたよ、アイツ」



回る、回る



頭の中で反芻されるその言葉から
わかったことが一つだけある。
それはとても悲しい事実。

僕は。

「厚志のこと、傷つけた…」


答えはすぐ側にあったのに
涙で見えなくしていたのは自分。

2000/03/29(水) 放浪人的青春日記〜ひとすじのひかりA〜
俺って学習能力ないのかも。

「やっと笑った」
「へ?」
「困るもん俺、駿ちゃんに泣かれると」
「…なんでよ」
「俺まで悲しくなっちゃうもん」
「は、げろ甘ぁ…てか“もん”とかやめてキモイから」
「か…、可愛くな〜いっ!!」

涙はいつの間にか消えていて
暖かい空気が僕を包む。

あなたの隣はとても居心地がいい。

「…俺も槙さんみたいになりたいなぁ…」
「どしたの急に」

感情は人に伝わってしまうから

分け与えるのなら
涙よりも笑顔がいい

「駿ちゃん?」
「どーしたらいいのかなぁ…」
「…厚志の、こと?」

2000/03/28(火) 放浪人的青春日記〜ひとすじのひかり@〜
月が輝き、星が瞬く。

そんな夜空に焦がれて、

僕は雲に覆われた真っ暗な闇の中でもがくんだ。








「…少しは落ち着いた?」
「…ん」
「そっか、よかった」

ポン、と頭を撫でられて軽く顔を上げると、すぐ近くに柔らかく微笑む槙さんの顔があった。
その存在にひどく安心する。

「…スーパーマンみたい」
「は?」
「いつも俺が泣いてる時に現れるから、槙さん」
「んん…?ん〜…あー…あぁ!!ホントだ!!俺すげえ!!」
「気付くの遅っ!しかも無意識かよ…ちょー俺マニアじゃん」
「あ、バレた?」
「うわー軽ぅ」

さっきまでの悲しみが嘘みたいに癒えてゆく。

2000/03/27(月) 放浪人的青春日記〜なみだB〜


胸騒ぎがした。


風に背中を押された気がして、
美術室へと歩き出す。

ギ、カタン…


半開きのドアの向こう、
聞こえてきたのは小さな嗚咽。


「っく…ふ…ぅッ…」


ああ、知ってる。

これは夢で見たビジョン。


「駿ちゃん」


正夢にはしたくない。

夢で見た君は僕の腕をすり抜けてしまったから。


「、ま…きさっ…?」


ねえ、
どうしてそんな顔するの。


「泣かないでよ…」


切なくて
涙を拭い去りたくて

ただ抱きしめることしか出来ない僕は

君しか見えない暗い闇から
救ってあげられるのかな。

2000/03/26(日) 放浪人的青春日記〜なみだA〜
急いで階段を駆け下り、プリントが落ちた方向へと走った。

「うわー別館の方まで飛んでんじゃん…」

あちこちに散らばったプリントを一人寂しく拾い集める。

「あのタレ目のせーだクッソ…ん?」

美術室から誰かが出てくるのを視界の端で捕らえ、咄嗟に隠れる。

…ってなんで隠れてんだオリャ。

なんて自分ツッコミを心の中でかましつつその人影に目を向ける、と。

「…?!」

驚いた、とゆうか戸惑った。
その人物に対して、ではない。その表情に、だ。



泣いてる


厚志…?



声をかけることも出来ずに、去って行くその姿をただ見送るしかなかった。

2000/03/25(土) 放浪人的青春日記〜なみだ@〜
「あっ槙!ナイスタイミング!!」
「へぃ?」

ズシッ

振り返ると同時に手渡された何百枚ものプリントの束を反射的に受け取る。

「これ職員室まで運んどいて!!」
「は?!ちょっ、荻原先せ」
「頼んだぞぉ〜…」
「…はぁ…」

既に遠ざかってゆく声と姿を確認し、諦めのため息を吐く。

「あの急ぎっぷりは確実に千葉ちゃん絡みだな…」

呆れつつ渋々職員室へ向かおうと歩き出したその時。

ビュウウゥッ

バサバサバサーッ

「うわ…っ!!」

窓から入ってきた突風に煽られプリントが散乱し、一部は窓の外へと飛んでいってしまった。

「やっべ!!」

2000/03/24(金) 放浪人的青春日記〜きずあとB〜
「そこまでは言ってな、」
「同じだろ!!」

急に怒鳴り声を上げた厚志に思わず肩が震える。

怒、った…?

「あ…あつ、」
「見損なったよ駿ちゃん」

そう言って立ち上がった彼はもう一言残して行ってしまった。


『しばらく口ききたくない』




どうして。

傷つかないための道を選んだのにやっぱり傷ついて。

どうしたらいい?

俺はどうすればよかったの?

わかんないわかんない


「…も、やだぁ…っ」


苦しいよ
助けてよ





「兄ちゃん…」




会いたくてたまらない人の名を
泣きながら無意識に呟いていた。

2000/03/23(木) 放浪人的青春日記〜きずあとA〜
「んな難しく考えることないって。俺らのモットーは“楽しませ楽しむ”だし」
「ふ、いーね」
「部員のみんなも…まあ知っての通り、個性的で面白いし?」
「確かにね」
「居心地いーし絶対楽しいって!!だから…」
「だからやなの」
「…え」


こわいんだ。

特別なものが出来るのが。

愛しいほど、大切なほど
失った時の悲しみは大きくて

信じていた分だけ
裏切られた時の痛みは計り知れなくて


「どーせ仲良くなったって卒業しちゃえばバラバラじゃん。意味ねーよ」
「…なに、それ。じゃあなに、どーせいつか死ぬんだから今死ねって?そー言いたいわけ?」

2000/03/22(水) 放浪人的青春日記〜きずあと@〜
「で?」
「で、って?」
「入部決めた?」
「…あー…」

完っ璧に忘れてた。
昨日寛さんから誘われたんだっけ。

「槙さんの事ばっか考えててミクロも頭になかったって顔」
「うるせー」
「あーあー部長直々のお誘いだってのに〜」
「う…」
「ちょー惚れ込んでんだよ寛さん、駿ちゃんの歌声に。まじで」
「うぅ〜…」

厚志の思わぬ口説き文句に頭を抱え込む。

本来なら迷う理由なんてない。
歌うことが好き。それは俺の誇り。
自分の誇れるものを認めてもらえるのはすごく嬉しこと。幸せなこと。

だけど、
だから…

「自信ねーな…」

3月絵日記の続き


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