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2004/03/30(火)
最近読んだ本
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群青の夜の羽毛布 山本文緒 ―丘の上の一軒家に住む女三人。 家族とも他人ともうまく関係を結べずに大人になった長女と、その恋人をめぐっておこる出来事。 母娘に秘められた関係とは・・
家族の関係を考えてみたくなる作品。映画を先に見ているので 内容はだいたいわかっていたのだけれど、文章で読んだ方が さとる(主人公)や鉄男の心の動きがよく分かってよかったです。ミステリアスな構成も(最後まで名前を明かさないで 登場している人物がいます)興味深かったです。 映画では出番の少なかった母親、父親ですが、本の中では 詳しく説明されていたので、家族の背景がさらによく見えてきましたね。映画だけでは理解しがたかった部分も今回この本を 読むことで補えたという感じです。 こういった家族・・・現代では多いかもしれませんね。 心の闇・・・て育ってきた家庭環境から生まれることって 多いですものね。父親。母親の存在が子供が育っていく過程で どんなに大切なことか思い知らされたという感じです。愛情で 包み込みのは当然必要。でも自分の価値観を押しつけたり、 支配力を示して自分の思い通りに操作するのは、愛情ではないはずですよね。都合のよいときだけ、家族を強調しすぎるのは 危険かも。一人一人の個性を尊重してこそ、家族という共同体 が成立していくのではないかな・・・なんて思いました。 結構・・・読みやすい本なので、気軽に挑戦できると思います。 恋愛部分も入っているけど、甘い感じはあまりないかな。 痛い感じ・・・・。主人公さとるの存在以上に 父親の心の問題が印象に残った作品でした。ラストの文章に せつなさを激しく感じてしまったな〜
アンテナ 田口ランディ 幼少の頃、突然姿を消した妹。 宗教に走る母、精神を病んでしまった弟、そして自傷癖のある 主人公。彼はSM女王ナオミに出会うことによって自己解放し、 過去の苦しみから逃れ、家族再生をはかる・・・
コンセントはこれから読みます。その関連作、2作目。 独特の世界が繰り広げられるんですけど、社会的 出来事を扱っている分、興味深かったです。しかし、主人公の 行動うんぬんには、理解しがたい部分が多くあります。 そもそも、ああいう世界にはあまり興味が無いので、彼がナオミによって癒される過程はついていけないところ沢山(笑) 人はどういったきっかけで、自分の悩みを克服して新たな世界に旅立てるのか・・・今までにない表現で私もガツ〜ンときたかな (笑)精神世界がよく語られるので、好きじゃない人には ダメだろうなと思うな。さらに、露骨な表現に嫌悪を覚えてしまう人も多いかもね。でも私は面白く読みました☆
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