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2004/08/24(火) 32年前の秋に、、、
 とてもすごしやすい季節になった。
暑い夏が終わり、その夏に何かを忘れてきたような9月が始まる。

 その9月に中学2年の僕がいた。 

 紅葉も始まろうとする頃、僕は千曲川のほとりを歩いていた。
何かを期待するわけでもない旅だった。ただなんとなくやりきれない気持ちをまぎらわすためにここを歩いていた。
 歩いていれば何かが見つかると期待していたのは、たかが13年しか人生を生きていない浅はかな経験のたまものである。形だけはギタ−を持っていた。気分だけ詩人だった。

 あれから32年の歳月が僕の前を通り過ぎた。そして今、息子が中学2年の9月にさしかかろうとしとている。
 息子よ、人生に期待してはいけない。人生とはただ歩くだけである。歩くのに疲れた時に、たいがいは道を踏み外す。大切なのは踏み外したときに素直に元の道に戻ることである。しかしそれはなかなか難しい。
僕は13歳のときの秋にそれを学んだ。


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