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2004/09/08(水)
水上勉先生、ご逝去。
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ニュ−スでやっていたが、水上勉先生がお亡くなりになった。日本で最後の巨匠が失われた思いがする。
水上文学に知り合ってから、ほとんどの作品は読んだ。これほどテ−マが一貫している作家も珍しいのではないだろうか。
裏日本、貧困、それゆえの生活、日本の社会における女性の苦しみ。 推理作家という紹介がテレビであったが、全く違うと断言できる。水上勉を推理作家という人は、水上文学を全然読んでいない人だ。水上勉はヒュ−マニズム作家である。
松本清張も推理作家ではあるが、彼も根本に流れるテ−マは人間である。ある意味で二人は似ている。社会派という点ではまったく共通しているが、暗い日本の生活イメ−ジにスポットを当てたのが水上文学であれば、暗い日本の社会構造にスポットを当てたのが松本文学であろうと勝手に解釈している。 もっとも一人の作家をたった3行やそこらで決め付けられるわけがないのだが。
ちなみに水上勉先生の最初の心臓の手術をされたのが、現津南病院長の石川先生である。あるエッセイに書いてあってびっくりした。
水上勉先生のご逝去に当たり、家族および関係者、およびファンの皆様に心からお悔やみ申し上げます。
合掌
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