|
2005/10/20(木)
海
|
|
|
この町から海まではゆっくり走って車で2時間かかる。昔はよく行ったものである。 突然海を見たくなって、バイクで出かけたりした。自動二輪の免許を取り立ての頃は特によく出かけた。あの頃は暴走族の最盛期である。警察にもよく止められた。バイクとみれば眼の敵である。警察もろくなものではなかった。もっとも警察も意地になっていたのもわかる。が、僕みたいにまじめに自動二輪もいるのである。もちろん制限速度はそれなりであったが、極端な違反はしない。とにかくバイクに乗るのが楽しかった。 ツ−リングという言葉があった。仲間で一緒に遠乗りに出かけたりして、テントとシェラフがあればどこにでも行けた。楽しかった。 今考えてみると、金もろくにないのによく走ったものである。コンビニはあの頃普及していなかったが、ほか弁はあった。昼と夜はそれでなんとかなったが、問題は朝飯である。これは前日に買っておいたパンしかない。夏はおにぎりだとちょっと心配だからである。 車の免許を手に入れると、当然バイクに乗らなくなった。そして今は、、、車に乗るのも面倒になった(笑)。 若さとは、行動力と比例するものらしい。老いとは行動の範囲が狭くなることをさすのだろう。
そうそう、タイトルは「海」である。海は憧れと怖さの二面性を持っている。新しい会社に入社したとき、新しい仕事を始めたとき、緊張感と希望と不安感が入り混じり、その感じは海に似ている。 柳田国男は山と海についていろいろと書いているが、人間の帰る場所はたいがいが山であり、始まる場所はだいたい海である。川はその二つをつなぐものである。 今の自分は、一人で海に出かけるにはあまりに多くのものを抱えすぎた。何かを捨てなくては新しい自分に変われないことは百も承知だが、捨ててはいけないものばかりでがんじがらめである。 もちろん、そうなったのは誰のせいでもない、自分自身が選んだことではあるが。
|
|
|