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2005/11/16(水) 1970年
 古い写真雑誌を借りてきた。フォトコンテスト70年代である。1970年、僕は小学校5.6年生くらいである。兄のステレオでベンチャ−ズを聴いていた頃である。大阪万博などがあったなぁ。
 この数年後にオイルショックがきて、トイレットペ−パ−の買占めなどがニュ−スになったのを覚えている。
 この雑誌、カメラの広告にはまだペトリ、トプコンがでていてなつかしい。つまりこの数年後のオイルショックで中小カメラメ−カ−は倒産、撤退に追い込まれるわけである。
 高度経済成長のひとつの頂点は、おそらくこの1970年代ではないだろうか。日本経済の最高頂点の象徴が大阪万博ではないかと思っている。

 さて、この雑誌の内容であるが、まじめに写真に取り組んでいるのが伝わってくる。しかし、時代というものを考えてみると、このとき特選を受賞した写真の半分以上は、今のフォトコンに出したら落選するだろう。どうしてそういえるかといえば、これらの特選群の写真の手法は今の時代に残っていないからである。もし本当にこれが写真芸術の頂点だとすれば、今もこういう手法が残っていていいはずである。僕自身はこれらの写真群は大好きである。しかし時代は認めてくれない。
 ただし、この中に今の時代でも特選になるだろうと思われる写真もたくさんある。ここに注目したい。ここに「いい写真とは何か」の答えが出ている。

 写真の技法と一言で書いてみたが、撮影の技法、暗室の技法、展示の技法とさまざまな技法がある。この時代に写真技法のすべてが網羅されている気がする。絵画が筆で表現されているとすれば、写真では、この筆が暗室技術に相当すると思う。元のネガがモチ−フであり、これを元にどのように表現してもよいということになる。
 そういえば写真雑誌フォトコンテストはおなじ名前の雑誌が今もあるが、これを比べてみるのも時代考証としては面白いかもしれない。

 高校生の頃、モノクロの一連の写真にあこがれて、ひなびた温泉街を撮り歩いた事がある。路地裏とか軒下ばかりを撮っていたような気がする。生活というテ−マで、その裏を垣間見ようとしていた。考えてみるとこれは大変なテ−マである。今でも十分通用する。
 あの頃、ペトリのレンズシャッタ−機7sしかなかったが、それでよかった。友人の暗室を借りて朝まで焼いた事も今は懐かしい思い出となった。たぶん1975年頃であろう。
 近所の子供を撮影し、プリントしたものを差し上げると、お礼にお茶菓子などがあとからやってきた。今の時代、下手に子供を撮影すると、変質者と言われて白い眼で見られてしまう。

 吉田拓郎の古い歌、マ−クUのサビにある文句、

年老いた男が川面をみつめて 時の流れを知る日がくるだろうか

 う〜ん、この心境になるにはまだ少し早い。もう一度あの頃のように写真を撮り歩いてみるか。
 ところで、この写真雑誌を貸してくれた某新聞社のTさんにお礼を言いたい。道に迷ったら、今まで歩いてきた道を振り返るのもまたひとつの方法だということ学んだ。


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