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2006/03/23(木)
 道路の雪の壁に傘が一本挿してある。壊れて使えなくなったために捨てたのだろうか。今の時代、傘は消耗品となった。駅や公共施設には主人を無くして何年もそのままになった色あせた傘が何本かはいつもある。物を大事にしなくなった時代の象徴のようでもある。

 僕がまだ小学校3年生の頃である。貧しかった僕の家は(今も貧しいけど)、傘を一本買うことさえ大変だった。3歳年上の姉が女物の赤い傘が欲しくて、農作業を夜遅くまで一生懸命手伝ってやっと買ってもらった事を思い出した。
 あの頃、農家の子供たちは農繁期になると手伝うのが当たり前で、町の商店街の友達が遊びに誘うのを断ってでも家の農作業を手伝ったものである。
 それぞれの田んぼには家族総出での農作業が当たり前の光景になっていて、特に珍しいということではなかったのである。

 傘は当時大事にされていて、傘直しの職人さんというものが存在した。傘を壊したりすると親に怒られながらそこへ持っていき修理してもらうのである。実にいい時代だった。時がのんびりと流れていた。あの頃、風邪などで欠席すると学校給食のパンをわざわざ近所の子供達が届けてくれたものである。

 今日本という国は大事な何かを無くしていると思う。傘の問題は一つの例えだが、物を大切にする心、これは人間を大切にする心に通じているのではないだろうか。
 実に殺伐とした世の中になってしまった。親が子供を捨てる時代、いじめによる登校拒否と子供の自殺。国会の疑惑問題による空転、数え上げればきりがないほどであるが、一番の問題は少子化であろう。これは国がだめになるという点で一番大切な問題である。

 少し極端ではあるが、傘を大切に使う気持ちが芽生えるような時代が日本に訪れなければ、日本という国は救われることはないであろう。


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