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2006/06/12(月)
雪解けの頃の思い出 その1
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昨年の春、信濃川の岸辺で女性の変死体が発見された。僕はその頃、ちょうど花見の宴会後の片づけを会の役員として手伝っていた。 レスキュ−隊の車のサイレンに野次馬根性も手伝い、見に行くと遺体を引き上げるのに男性の方のお手伝いをお願いしますと言われ、遺体の引き上げを手伝った。 あれから一年以上経過したわけだが、まだ身元は不明だという。不思議な事である。信濃川で水死体となった人を、俗にどざえもんという。子供に人気のあるキャラはどらえもんである。ちょっと似ている。
信濃川の近くに僕の家はあり、川は我々の子供の頃は格好の遊び場であり、同時に非常に危険の伴う場所でもあった。あの頃川魚はうじゃうじゃいたし、それを捕まえるのもまた楽しい遊びのひとつだった。 さて、時は僕が小学4年生になったばかりの春。雪解け水がごうごうと流れる時期もやや過ぎ、川の流れも落ち着きを取戻して来た頃、信濃川の崖に、山菜の「うど」を取りに親父と出かけた。崖から崩れた土がうどを隠して、そこから伸びたうどが芽を出す頃に採取するとちょうど茎の部分が白く、アクのない美味のうどが手に入るのだ。 いつものように目的地に向かい、信濃川の川石をひょいひょいと慣れたもので、飛び越え飛び越え早足に歩いていくと、後ろから親父が大きな声を出した。 「おい、こんなところにどざえもんがいるぞ」 僕は何事かと思い、引き返してみると、なんだ、マネキン人形の腐ったものではないかと思い 「とうちゃん、どざえもんって何?」 と質問してみた。 「何だ、どざえもんを知らないのか、川に流された死んだんぽだ」 と答えた。子供の頃から見慣れているのか当たり前の事のように言った。 しんだんぼ・・・つまり、これは・・・。人間の死体 !!
つづく
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