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2006/06/13(火) 雪解けの頃の思い出 その2
 生まれて初めて見る人間の死体・・というよりそれは異様な物体だった。まるで人間とは別の物体である。大きな石の間に大の字になった状態で挟まれて、ちょうど魚の干物に近い状態であった。よく見ると腐った肉魂が下に落ちていて、異臭を放ち、そして蝿が群がっていた。
 ショックという言葉はふさわしくないだろう。むしろこんなものかという放心した状態といったほうがいい。人間にはあまりにもかけ離れたものだったからだろう。
 実は親父がこの死体を発見する前に僕は気がついていた。しかし、当時の信濃川は大水が出るたびにいろいろなものが流れてきた。当然水が引けた後には様々なものが信濃川にあった。ごみを川に捨てるのが当たり前だったこの時代、僕はマネキン人形が捨てられていたのだと思っていた。

 どれくらい見ていたのだろう。山菜取りなどはもう忘れていた。たぶん一時間は見ていたのかもしれない。時を忘れるとはこういったことを言うのだろう。しばらくして親父に、行くぞと声をかけられるまでは放心状態だった。
 人は必ず死ぬという概念、そして死んだあとはただの物体であるということをこのとき学んだ。

つづく


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