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2006/06/19(月)
ともだち 1
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さて、ずいぶんサボったので、穴を埋めるためにまたつまらない短編小説でも書こう。
仕事から帰ると、流しの中に山ほど積まれた食器、これは朝食の時の食器である。僕はまずこの山から片付ける。食器用洗剤をスポンジにつけるともくもくと洗い始めた。 女房のおふくろさんが糖尿病性の昏睡で倒れてから、女房が看病でずっと付いている。ここ一週間はこんな生活が続いている。 岡林信康の山谷ブル−スを歌いながら次にベランダの洗濯物を取り込みたたみ始めた。高校生の息子と中学生の娘が二人いるが、帰りは部活などが忙しくて、僕よりも遅い。 さて、今日の晩飯はなんにしようかと考えていると、息子が帰ってきた。ただいまというなり自分の部屋に入る。次に娘が帰ってきた。洗濯物をたたんでいる父親を見ると、黙って手伝ってくれた。
「今日の晩飯は何が食いたい?」 「もちろん、肉」 「肉は昨日食べたじゃないか」 僕があきれて聞くと、毎日でもいいという。さすがに毎日肉はこちらが参ってしまう。見るのもいやだ。 「それじゃ今日は寿司でも握るか」 というと賛成とい言いながら自分の部屋に入った。 イカとタコとマグロだけの寿司を食べ終わると、宿題があるといいながら二人の子供はまた部屋に閉じこもる。さて、これからがやっと自分の時間である。 僕は屋根裏の物置兼自分の部屋に上がると、パソコンに向かった。もちろん左手には焼酎の瓶が置いてあり、ちびちびとやりながらパソコンで文字を打つ。疲れてくるとギタ−を持ち出し昔の歌を唄う。 背中には昔からの蔵書がびっしりと並び、左手にはビデオ専用のTVが置いてある。ここは僕にとって自分を解放できる空間である。家族から嫌われるタバコもここではノ−プレブレムである。パソコンは3台あり、メインは真ん中のやつだが、趣味で始めたデジカメの写真は左手のパソコンに入れてある。 今日もやっと一日が終わったかと思い、寝転がりタバコをふかしていると、遠くで雷が鳴り始めた。梅雨もそろそろ明けるのかと思っていると、雷はだんだん近づいてきた。雨も激しくなってきた。 この分だと近くに落ちるなと心配する間もなく、突然ピカッと光ったかと思うと、ゴロゴロとものすごい音がした。こりゃぁ間違いなく近くに落ちたなと思った。 ところがである、起動中のパソコンが突然うなりだした。な、なんだ、これは。パソコンが起動と終了を繰り返しはじめたのである。それだけならいいが、残りの2台も同じく起動と終了を繰り返しはじめた。これはまずいとばかりに起動ボタンを押しっぱなしで強制終了をしてみた。ダメである。パソコンは同じことを繰り返している。最後の手段とばかりパソコンの電源コンセントを抜いた。え・・・・パソコンは終了しない、なぜだ?
つづく
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