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2006/06/23(金)
ともだち 5
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翌朝目が覚めると、女房が隣で寝ていた。 「おはよう、いつ帰ってきたんだい?」 「夜中の2時ごろかしら。ごめんね、何から何までまかせちゃって」 「かまわないさ、こんなときは。それよりもおふくろさんの具合はどうなんだい?」 「一応小康状態、まだなんともいえないけど、年が年だからねぇ」 「そうか、こっちは大丈夫だから、やるだけのことはやってあげなよ」 「ありがとう」
僕は布団から出ると子供たちの朝食の支度を始めた。昨日はハムエッグだったので今朝は納豆である。支度をしながら考えた、面白い夢を見たものだと。 子供たちを送り出すと僕も仕事の支度を始めた。まてよ、まさか。僕は屋根裏に上がるとパソコンを起動した。パソコンは素直に起動した。やはり夢だったんだと安心した矢先だった、突然パソコンのディスプレイが真っ黒になった。そして次の文字が浮かび上がった。
「オハヨウ」
やはり夢ではなかった。これは現実である。僕もキ−ボ−ドを叩いた。
「オハヨウ、ヤハリユメデハナカッタンダネ、キミハホントウニソコニイルノカ?」 「マダウタグッテイルノカ、ボクハコレカラドウシタライイ?」 「ココニイタライイ、タブンエイガヤテレビナラ、イズレキミヲムカエニクルダロウ」 「ホントウニキテクレルダロウカ」 「タブン」 「タブン・・・・・?」 「ボクハコレカラシゴトダ、ヨルマデマッテイテクレ」 「ワカッタ」
僕は階下に降りると仕事に出かけた。車の中で考えた。もはや疑うべきものは何もない。ないが、もしかしたらいたずらでからかっているのではないかとも再び考えた。しかし、それはない。なぜなら電源が昨夜からつながっていないはずだ。電源コ−ドは今朝も入れていない。
つづく
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